ねごと(蒼山幸子)が100年後に残したい音楽:897Selectors#85
アーティストたちが影響を受けてきた音楽や、100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲をテーマにしたFMプログラム「KKBOX presents 897 selectors」(毎週木曜日20時からInter FMでOA中)。今回は、通算5枚目となる新作「SOAK」をリリースした<ねごと>の蒼山幸子さんがセレクターに登場。ヴォーカルとキーボードを担当、多くの楽曲を手掛ける彼女の音楽のルーツ、音楽を始めてから影響を受けた曲、100年後も誰かの心に残って欲しい曲などを伺いました。
蒼山幸子の原点となった音楽
Letters / 宇多田ヒカル
小学校の頃音楽にはまってよく聞いていたのがヒッキーで、この曲は、歌詞が鮮やかで子供ながらに大好きでした。この曲のメロディが個性的なのと、リアルと景色の描写が入り交ざった歌詞が好きです。ピアノを弾いていたので、音楽は好きだったんですが、まだ自分で創るまでには至っていない、そんな時期でした。
10代、20代の節目となった音楽
透明少女 / number girl
バンドで演奏するということの、楽しさを植えつけられたような思い出深い一曲。はじめて組んだバンドはこの曲をコピーしていたりして、これを聴くと高校時代の軽音部の部室が蘇ってきます。真夏に冷房の効かないプレハブの部室で、汗だくになりながらこの曲をコピーしたという(笑)。この曲はどんどん加速していく勢いがすごい。コピーしていてバンドが楽しいなと思った」と、バンドを組む喜びを肯定してくれた思い出の曲です。
カルアミルク(LIVE) / クラムボン
2006年発表の「3peace live at 百年蔵」からの曲。
高校生の時、「カルアミルク」を初めて知ったのは、クラムボンのこの『百年蔵』のカバーからでした。本当に素敵な曲だったし、素敵なカバーで感銘を受けて。当時弾き語りでコピーしたりしていました。オリジナルの岡村靖幸さんより前に、このクラムボンヴァージョンに出逢って、「めちゃくちゃいい曲だな。」と思いました。原田郁子さんの歌はもちろん、ピアノならではの切なくてあったかいコード感も魅力の1曲です。
*KKBOXプレイリストは「3peace2」@20110930福岡・博多百年蔵2日目のLiveを掲載。
音楽活動を始めてから影響を受けた音楽
ブラインドタッチの織姫 / キリンジ
キリンジ好きです!
妙な魅力があるんですよね。歌詞も普通ではない! キリンジみたいなコードで、流れるようなメロディにしたいなあと思い、実は「黄昏のラプソディ」という曲を作りました。 独特な世界観でいまでも大好きなアーティストです。
ねむけざましのうた / たま
ここ2、3年ハマっています。
バンドを始めてからどっぷりハマってしまったのがたまでした。ほんと天才集団だなと思います。特に知久寿焼さんの曲の世界が好きで、この曲も弾き語りでカバーさせてもらったことがあります。 どこか切ないところ、その「切なさ」とある種の「ムード」を言葉にし、メロディで伝えていく感じが、ねごとと近い感じがあります。
100年後も誰かの心に残っていてほしい音楽
サマーヌード / 真心ブラザーズ
超名曲だな、と思います。最初の歌い出しだけで景色が立体的に見えてくる感じがすてきだし、大人になっても無邪気でいたいなと思えます。メロディも歌詞もすべてが完璧。真心ブラザーズのお二人のたたずまいも好きです。 この曲も、切なくて一瞬の刹那みたいなものを描いている、そんな切なさが美しいです。
pink triangle / Weezer
はじめて好きになった洋楽がWeezerでした。 かなりへなちょこで、ねじくれた男の子の感じが詰まった歌詞なんですが、受け継がれて欲しい美しいメロディだと思います。Weezerは弱者のヒーロー的な、そんな光を感じます。この曲は、胸をつかまれたようにギューッと来る。冒頭のメロディから好きです。変わった三角 関係を歌った歌詞も面白いです。
現在のねごと
サタデーナイト / ねごと
アルバムタイトルの「SOAK」は、「染み込む」、「染み渡る」という意味があって、聴き手の内側に染み込んでいくようなアルバムをイメージしました。
前作でもサウンドプロデュースに名前のあったBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之さんとROVOの益子樹さんが3曲ずつ参加してもらっています。 中野さんが手掛けた「サタデーナイト」では、フロアライクではない胸に突き刺さるような曲で、でも景色が広がっていくようなサウンドを。逆に益子さんは、人力感を大切にするサウンドで、バンドの生を捉えていく感じになっていると思います。
INSIDE OUTSIDE / ねごと
ねごとワンマンツアー2018 「SOAK」
2月9日(金)【東京】LIQUIDROOM ebisuを皮切りに、全国15か所16公演、
ファイナルは4月21日(土)【東京】渋谷O-east