SIRUPの「至福なオフ」ーオフに聴く10曲と、ファッション&休みの過ごし方

SIRUPの「至福なオフ」ーオフに聴く10曲と、ファッション&休みの過ごし方
矢島由佳子
矢島由佳子

ミュージシャンの「オン」と「オフ」を覗く、連載『至福なオフ』。「オン」のモードで作り上げた作品についてはもちろん、休みの日に聴いている音楽や私服のこだわりなど、「オフ」のことも伺います。

今回のゲストは、SIRUPさんです。楽曲「Do Well」が、今年1月よりHonda「VEZEL TOURING」のCMに起用され、サブスクでの再生回数も急上昇中。曲のなかで歌った「Do Well=うまくいく、成功する」という言葉にまるで言霊が宿っているかのように、その楽曲がSIRUPさんをかなりいい状況へと連れていっています。そんな絶好のタイミングで、話を伺うことができました。



オフの日、なにしてる?

SIRUPさんは、音楽活動以外の時間をどうやって過ごすのが好きですか?

SIRUP:NetflixかAmazon Primeで、映画かアニメを見ていますね。今見てるのは『プラネテス』というアニメ。宇宙のゴミを回収するサラリーマンの話なんですけど、いいセリフがいっぱいあるんですよ。映画やアニメは、毎日家で流しています。映像として流れてたらいいなと思って、とりあえずつけてる感じです。『プラネテス』は今初めて見てるので流し見ではなくちゃんと見ていて、これまで見まくった『攻殻機動隊』『BLACK LAGOON』『ヨルムンガンド』とか、クリストファー・ノーランが監督をやってる『バットマン』シリーズを流していますね。


もし「明日は、思いつく限りの贅沢な休みの日の過ごし方をしてください」って誰かに言われたとしたら、なにをしたいですか?

SIRUP:バリに行きたいです。こないだ兄の結婚式でバリへ行ったんですけど、食べ物も合うし、とにかくプールサイドでなにもしないっていうのが、めっちゃくちゃ優雅でした。日本にいると常になにかを考えちゃうので、ほとんどなにも考えなくていい環境が、だいぶ贅沢やなと思いましたね。

普段外へ遊びに行くときは、どこに行くことが多いですか?

SIRUP:友達がだいたい三軒茶屋にいるので、三軒茶屋か渋谷で遊んでますね。演奏も一緒にやってるShin Sakiuraと一緒にいる率がめっちゃ高いです。2人でアニメの話をしたり、音楽の話をしたり、自転車の話をしたり、もっとしょーもない話をしたり。昨日はTENDREの(河原)太朗ちゃんと遊んでて、そのあとShin Sakiuraの家に寄って、コンビニで2時間くらいしゃべって帰ってきました(笑)。


どういうファッションが好き?

服はどこで買うことが多いですか?

SIRUP:よく行くセレクトショップとか、古着屋ですかね。去年から「LANTIKI」というお店へよく行くようになりました。最近は三軒茶屋の古着屋も開拓し始めましたね。

今日の服はどこで?

SIRUP:ブーツとデニムは、LANTIKIで買いました。このデニムはOLD PARKのユーズドのリメイクで、裾がめっちゃかわいいんですよね。このデニムとブーツが似合うなと思って一緒に買いました。なかのシャツはGILDANのロンTで、ジャケットはCOSですね。レコーディングとかリハの日は、帽子かぶって、オーバーサイズのパーカーかスウェットに、オーバーサイズのパンツを履いてることが多いです。スケーターみたいな格好ですね、スケートは全然できないですけど(笑)。


オフの日に聴きたい10曲

KKBOXのプレイリストを作るにあたって、「オフの日に聴きたい曲」をテーマに10曲選んでいただきました。

SIRUP:移動中に音楽を聴くことが多いんですけど、たまに家で音楽をかけようと思ったときは、あんまり激しいやつではなくて、この辺のチルいやつがベストかなって思うんですよね。BPMが遅い曲ばかりを選びました。

Stay There / Brasstracks, Xavier Omar

Respirate / Atlas / Elujay

501's / Fortunes.

Bonita / BIM

In the Morning / Jay Prince

It Is What It Is / Diggy

Stay Lost / Joe Hertz

Day 1 ◑ / Honne

Best Part (feat. H.E.R.) / Daniel Caesar

No Stress / SIRUP

SIRUP:1曲目の「Stay There」は、僕、Brasstracksが死ぬほど好きで。今一番一緒にやりたいプロデューサーです。トランペットとドラムのデュオなのでブラスが入ってる派手な曲が多いんですけど、かなりチルい曲も作れて、そのなかで一番休日に聴きたいチルい曲が「Stay There」ですね。


SIRUP:BIMくんの「Bonita」は、いつ聴いてもすごい。名曲感が半端ない。このサンプリングはまじですごいなと思う。意外と日本のヒップホップシーンでこういうチルくてクールなのをできた人がいないから、そういう意味でも名曲やなと思いますね。

SIRUP:最後に自分の「No Stress」を入れたのは、まさにこの曲自体が休日とかに聴いてほしいなと思っていたからです。

今回選んだ曲はすべて2016〜2018年にリリースされたものですが、近年のR&B/ヒップホップの幅の広がり方や更新の仕方を、SIRUPさんはどう見ていますか?

SIRUP:うーん……自分が好きな音楽を常に聴いているだけなので、全体のシーンというのをあんまり考えたことがないかもしれない。全然調べたりしたわけではないですけど、僕の体感でいうと、ストリーミングサービスが広がったことによって、メインストリームは確実にあるまま、そうじゃない部分の幅が広がっていて、そこにはまっているのがこういうジャンルなのかなと思っていて。主流以外の、いろんなジャンルが大きくなってるなというイメージはありますね。

普段、ストリーミングサービスから音楽情報を得ることが多いですか?

SIRUP:そうですね。ストリーミングサービスで友達のプレイリストを聴いたり、自分の好きそうなプレイリストを聴いたり、最新リリースをチェックしたり。サービスによってユーザーが全然違うから、だいたいのサービスは登録してる状態にしています。たとえば、自分のことでいうと、最近はSpotifyで聴いてくれてる層が伸びてるんですけど、前の名義(KYOtaro)から知ってくれているユーザーはApple Musicに多いんですよ。そういうのはチェックしてますね。あとは、Instagramのストーリーでも、みんな好きな曲とかをあげるじゃないですか。自分と仲良い子はだいたい音楽の趣味が一緒なので、それをチェックしてます。


「Do Well」について

昨年8月にリリースした『SIRUP EP2』の収録曲「Do Well」が、今年の1月よりHonda「VEZEL TOURING」のCMに起用され、テレビからたくさん流れている状況です。CMが決まったときはどう思いましたか?

SIRUP:本当のことを言うと……僕、世の中のことが本当に疎いねんなと思ったんですけど、流れ始めるまで影響の大きさに気づいてなかったんです。でもCMがオンエアスタートしてから、友達や親が喜んでくれたのは嬉しかったですね。

出典元:YouTube(SPACE SHOWER MUSIC)

「Do Well」は、いつ頃書いた曲ですか?

SIRUP:去年の5〜6月くらいですね。

この曲は、当時のご自身の心境と、音に身を委ねて踊る心地よさを混ぜて書かれているのかなと思ったのですが、歌詞はどういうところから書いたものですか?

SIRUP:「Do Well」の歌詞に関しては、あんまり言及したくないところがあるんですよね。すべて話すと、そういうふうな聴き方をされちゃうと思うので。大枠だけを言うと……難しいこととかがいっぱいあるけど、もっといろんなことに直感的になって、音楽も直感的に聴いて、自分を解放したほうがいいやん、「Do Well!」という感じですね。でも、それを邪魔してるものとかについて言ってるような歌詞も、そんななかに入ってます。

SIRUPさんの楽曲はどれも、体で聴いても楽しいし、ちゃんと聴き込んでも楽しい、という深さがありますよね。

SIRUP:音楽で言葉が入ってくるのって、めちゃくちゃいいことやと思うんですよ。でも僕は、根本には「踊らせたい」ということがあって。「踊らせたい」と「言葉も届ける」を両立させるって、すごく難しいんですよね。これは僕のなかの表現なんですけど……大きい刀は誰でも出せるんですけど、僕は、めっちゃ細い、刺されても気づかないようなやつをめっちゃ入れたいんです。つまり、「わ〜めっちゃ楽しい〜」という感じで踊ってるなかで、勝手に言葉が入っていって、「気づいたらめっちゃ刺さってた」みたいなことが、一番難しいけど、一番の目標。それを意識しながら作っています。最近の生活の中心は制作なんですけど、今はまさに佳境という感じですね。

写真:にしゆきみ

プロフィール

ルーツであるR&B/ソウル、HIPHOPなどのブラックミュージックをベースにジャンルを超えて様々なクリエイターとコラボし、新しいものを生み出していく。その変幻自在なボーカルスタイル、五感を刺激するグルーヴィーなサウンド、そして個性的な歌詞の世界観でリスナーを魅了する。SIRUPは、Sing & Rapからなる造語。
https://www.sirup.online/


矢島由佳子
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