SASUKEにとっての「至福なオフ」〜オフに聴く音楽と、ファッション&休みの過ごし方

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矢島由佳子

ミュージシャンの「オン」と「オフ」を覗く、連載『至福なオフ』。「オン」のモードで作り上げた作品についてはもちろん、休みの日に聴いている音楽や私服のこだわりなど、「オフ」のことも伺います。

今回のゲストは、SASUKEさんです。平成の終わりに『平成終わるってよ』をリリースし、新元号「令和」が発表された4月1日には『新元号覚え歌』をリリースした16歳。音楽制作だけでなく、DJ・ダンス・映像・グラフィティ・ファッションなどあらゆるカルチャーを丸ごと愛し、それらをハッピーなマインドを持ってオーバーグランドに広げようとする、まさに令和時代に多くの刺激を与えてくれるであろう希望のアーティストです。

写真:関口佳代

オフの日、なにしてる?

-SASUKEさんにとっての「至福なオフの過ごし方」を教えてください。「明日なにしてもいいよ。勉強や仕事のことはいったん忘れていいよ。お金もいくらでも使ってもいいよ」と言われたら、なにしたいですか?

SASUKE:別府に行きます。温泉に入りたいんですよね(笑)。一度だけ行ったことがあるんですけど、そのとき温泉には入れなかったんですよ。

-今、高校1年生でありながらこうやって音楽活動も活発にされていますが、普段はどういう生活リズムで過ごしているんですか?

SASUKE:今は通信制高校に通っていて、最近は……というか、まだちゃんと整えられてないんですけど、「これからはこうしていこう」と思ってるプランとしては(笑)、7時くらいに起きて、勉強は朝のうちにやって、ちゃんと3食食べて、運動も適度にして、曲を作る、っていう感じです。

-中学校に通ってた頃より、曲作りに使える時間がだいぶ増えました?

SASUKE:はい(と、めちゃくちゃ笑顔で答える)。

-2018年12月に新しい地図 join ミュージックへ『#SINGING』を書き下ろしたことを機にSASUKEさんの認知も評価も一気に上がって、音楽の仕事がグンと増えたと思うんです。今は、「音楽=仕事」という意識が強まっていますか? それとも「音楽=趣味」というまま?

SASUKE:趣味のままですね。ちゃんとやらないといけないという意識だけは持って。適当はダメだけど、好きにやろうっていうのは変わらないです。周りの環境とかが「すごい速さで動いてるな」って感じではあるんですけど、今も楽しんでる割合のほうが多いですね。

-SASUKEさんの音楽には「もっとポジティブに、ハッピーに、気楽に行こうよ」という姿勢が滲み出ていて、それがリスナーに対してのメッセージになっているなと感じます。普段、悲しいことやムカつくことがあったとき、どういうふうに気分転換してますか?

SASUKE:そういうことが、あまりないんですよね。なにかあってもあまり気にしないというか。ただ、自分の嫌なことは流せるんですけど、人が嫌な想いをしているのを見るのはあんまり気分がよくないので。(音楽を通して)楽にしてあげられたらなっていうのはあります。


どういうファッションが好き?

-SASUKEさんは、ただ音楽を愛してるだけでなく、音楽・ダンス・グラフィティ・映像・ファッションと、すべてのカルチャーをつなげて愛して楽しみながら、創作や発信をされていますよね。ファッションに興味を持ったのは、ダンスをやっていたことの影響も大きいですか?

SASUKE:そうですね。ダンスからストリートファッションに入って、STUSSYとかSupremeにハマっていたときもありました。よくオシャレとか言ってもらうんですけど、意外と、着たいと思った服を着てるだけです(笑)。

-どこで服を買うことが多いですか?

SASUKE:地元(愛媛県松山市)は服屋さんが結構少なくて。ひとつのビルに服屋さんがたくさん入ってるところがあって、BEAMSとかUNITED ARROWSも入っているのでそこによく行くのと、あとはネットですね。

-今日の服のポイントは、いかがでしょう?

SASUKE:パンツはLEVI’Sで、TシャツはUNITED ARROWSで買いました。スケートも好きなんですよ。最近はできてないんですけど、前は乗ってたりして。これ(Tシャツのプリント)、スケボーの有名なチームで、かっこいいなと思って選びました。スニーカーはいつもNIKEなんです。ダンスをやってたときにいろんな靴を履いてたんですけど、NIKEが一番軽いなと思って、NIKEをいつも履いています。

-家にスニーカーがたくさんあるタイプですか?

SASUKE:結構ありますね。でも、もうサイズが合わないのが多いです。昔いっぱい買っていて、最近合うのは3〜4足くらい。あと、帽子も家に結構あります。小学生のときにニューヨークへ行ったんですけど、そのときにキャップにハマって、向こうでめっちゃ買ってきてしまって。しかも中学校が結構厳しくて、規律で髪型も決められていて、それをごまかすためにキャップをかぶりたくて買ったりしてました。


オフの日に聴きたい6曲

-今回、KKBOXのプレイリストを作るにあたって、「オフの日に聴きたい曲」をテーマに6曲選んでいただきました。

SASUKE:そのとき好きなもの、聴きたいと思ったものを聴くんですけど、最近はこれかなっていう感じで選びました。バラバラなんですけど、実は共通点があるんですよ。僕、昔から、シンセのソートゥースという波形の音が好きで、自分で作ったりもするんですけど、その要素が入った曲を好きになることが多くて。最近流行ってたりもするので、そういうアーティストたちを選びました。


Here Comes The Sun / Jacob Collier feat. dodie

Doing the Things / Louis Cole

Eigendynamik / Dorian Concept

LATTE&MACARON / Sweet Robots Against The Machine

I Remember – Live / Snarky Puppy

Animal Spirits / Vulfpeck


SASUKE:Louis Coleは、ハマってしばらく聴いているんですけど、去年12月に会ったんですよ。僕が上げたオマージュ動画を見てくれて、ライブで日本に来たときに会えることになって。「え、会えるの?」ってびっくりしましたね。動画を作ったときも、シンセのソートゥースの音を作るところから入ったんですけど、「こんなに似せられるか!」って自分で思っちゃいました(笑)。


SASUKE:Louis Coleが特徴的なのは、エレクトロだけど生ドラムを叩いていたり、アコースティックな感じとエレクトロな感じを混ぜるところで。“Doing the Things”は、最初ブラスとパーカッションから始まるんですけど、盛り上がってドンってビートが入ってくるときに、エレクトロになるんですよね。そこが「おお!」ってなります。しかも僕が観に行ったライブのときは、やり方が面白くて。別の曲の伴奏でこれを歌ってたんですよ。それがすごく斬新で、面白いなと思いました。

SASUKE:Sweet Robots Against The Machine(TEI TOWAのプロジェクト)は、昔から好きなんです。小さい頃から家で音楽がかかっていて、その音楽に合わせてよくダンスを踊ってたらしいんですけど、TEI TOWAさんの音楽への反応がすごくよかったらしくて。そのときに一番好きだった曲は、“LATTE&MACARON”と同じアルバム(『TOWA TEI』、2002年発売)に入ってる“FREE”(カバー曲。原曲はデニース・ウィリアムス)なんですけど、最近僕のなかで“LATTE&MACARON”が再ブレイクしているんですよね。今聴いても負けていない。今回選んだ6曲は、これ以外は最近の曲たちで、これだけだいぶ前の曲なんですけど、他に負けてないんですよ。「ここ、こんなことできるか!? どうやってやってるんだ?」みたいな作り方とか、昔にはわからなかったことがわかるようになって、今自分のなかで再ブレイクしていますね。

-普段、ロックって聴きますか?ロックや生楽器だけの音楽よりも、こういったビートミュージックに惹かれるというのは、すごく今っぽいなって思います。

SASUKE:そうですよね。ロックは、あまり聴かないんですよね。音が多いもののほうが、作る側としても「作り込めるな」って思うし、聴く側としても「作り込んでるなあ」って思うものに惹かれます。もちろん生演奏で、一発録りで、というものでもいいなと思う曲はあるんですけど、やっぱり、それだとファンクとかソウルのほうに惹かれますね。


『新元号覚え歌』について

-『新元号覚え歌』には、SASUKEさんのどういったこだわりや挑戦が詰まっていますか?

SASUKE:「平成が終わるよ」というニュースが流れ始めた頃から、これの前に出した『平成終わるってよ』を出すことと、新元号の発表を待ってそれについての歌を作るというアイデアを、同時に思いついていました。『新元号覚え歌』のトラックは、「令和」が発表される1週間前くらいから作って2日前にはできあがっていて。実は一時期忙しくなってきて、自分の好きな曲が全然作れなくなったタイミングがあったんです。でも、これはそのときに一番作りたいもの、出せる限りのものを出そうと思いながら作って、今までの曲のなかではかなりクオリティーの高いものができたなと思えました。それに対して歌詞は、「令和」の発表を見てからすぐ部屋に行って、2時間くらいで一番の歌詞を書いて歌も録って、すぐにショートバージョンを公開して。

-え、2時間で歌詞も書いて歌も録ったんですか?

SASUKE:歌詞を書くのはいつも結構早いんですよ。できあがった曲に対して即興で歌って、よかった部分をメモっていって、という感じでいつも完成させています。それで、あとから2番も作って、ピアノソロを弾いて、フルバージョンを完成させてリリースしました。

出典元:YouTube(SASUKE MUSIC VIDEO)

-令和時代に、SASUKEさんはどういう表現をしていきたいと思っていますか?

SASUKE:あまり決めてないですけど……。ありきたりなものは作りたくないし、暗い曲を作りたくないという気持ちもあるし、変わったことをしたいなって思いますね。

-それは、今の日本の音楽カルチャーに少し物足りなさも感じる部分があるから、とも言えますか?

SASUKE:この歳で言ったら怒られそうなんですけど(苦笑)。同じ感じの曲が多いなとは思ってますし、歌詞と歌がメインで聴かれているなとも昔から思っていますね。音楽優先で、僕はやっていきたい。まあでも、自然のまま、思いついたアイデアを出せたらいいなって思います。流行りには乗らない、好きなものを作る!



〈SASUKEプロフィール〉

5歳からダンスを習い始め、作曲活動もスタート。10歳でニューヨークにあるアポロシアターの『アマチュアナイト』で優勝、14歳の時に原宿で披露した路上パフォーマンスをきっかけに様々なメディアに取り上げられる。先日発表された“新しい地図” join ミュージックの新曲“#SINGING”の作詞、作曲を担当、日本中で新進気鋭のトラックメイカーとして注目される。ダンスパフォーマンスから楽曲制作までを熟しSNSを通じて国内だけでなく海外からも楽曲制作がオファー殺到中、いま一番フレッシュな16歳。
https://wmg.jp/sasuke/


〈オススメプレイリスト〉


矢島由佳子

編集者・ライター。主に音楽・エンタメ関係に携わる。大学卒業後、大手芸能事務所にてアーティストマネージャーを務める。現在、カルチャーサイト「CINRA.NET」編集部に所属しながら、フリーランスとしても活動中。 https://twitter.com/yukako210

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