安室奈美恵が残してくれたもの

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90年代、00年代、10年代にかけて数多くのヒット曲を送り出し、日本のポップス史上、稀に見る成功を収めた安室奈美恵。卓越したボーカルとダンス、最新のR&B、ヒップホップ、EDMなどを取り入れた音楽性、そして、自らのスタイルと美意識を貫いた彼女の在り方は、同世代の女性を中心に大きな影響を与え続けた。今年9月20日からシングル&アルバム作品がストリーミングサービスで解禁されたことも話題に。ここでは代表曲をピックアップしながら、彼女のキャリアを改めて振り返ってみたい。


1990年代: 小室哲哉プロデュース期

1992年にダンスボーカルグループ・SUPER MONKEYSのメンバーとしてデビューした安室奈美恵は、1995年からソロ活動をスタート。小室哲哉のプロデュースのもと、「Body Feels EXIT」、初のオリコンチャート1位を獲得した「Chase the Chance」、ミリオンセールスを記録した「Don’t wannna cry」「You're my sunshine」「a walk in the park」など数多くのヒット曲を生み出し、瞬く間に時代を代表するスターの座を奪い取った。当時の音楽性は、ユーロビートを中心としたダンスミュージック、そして、彼女のルーツであるR&B。圧倒的な歌唱力、卓越したダンスパフォーマンスは既に驚くほどの完成度を誇っていた。彼女のファッションをマネした“アムラー”と呼ばれた女性たちも、90年代のカルチャーを象徴する現象だったと言えるだろう。

出典元:YouTube(Namie Amuro)


2000年代:進化していく安室奈美恵

ゴスペルの要素を取り入れた「RESPECT the POWER OF LOVE」(1999年)、TLCを手がけたことで知られるダラス・オースティンのプロデュースによる「SOMETHING‘BOUT THE KISS」(1999年)をリリースするなど、音楽性の幅を広げながら、アーティストとしての個性を発揮し始めた安室奈美恵。2001年1月のシングル「think of me/no more tears」を最後に小室哲哉のプロデュースを離れ、彼女自身のルーツに根差したスタイルを追求していく。彼女のスペシャルプロジェクトであるSUITE CHICでは、今井了介、ZEEBRA、VERBAL、AIなどが参加したことも、この時期の大きなトピックだ。

その後、「Put 'Em Up」「SO CRAZY」(2003年)といったR&B、ヒップホップのテイストを強めた楽曲を次々とドロップ。アルバム「STYLE」(2003年)は彼女のセルフプロデュースで制作され、文字通り、安室奈美恵の新たなスタイルを確立した作品となった。

出典元:YouTube(Namie Amuro)

R&B、ヒップホップを軸にした彼女のスタイルと、幅広い層のリスナーに訴求するポップススターとしての存在感が完全に一致したのが、2007年のシングル「Baby Don’t Cry」だった。この曲を含むアルバム「PLAY」(2007年)は、彼女の音楽活動を支えてきたT.Kura&michico、Nao’ymtといったクリエイターとのコラボレーションがさらに向上し、約7年ぶりにチャート1位を獲得。20代最後の年に彼女は、再び音楽シーンの頂点に返り咲いた。

翌年2008年7月にはベストアルバム「BEST FICTION」をリリース。10代、20代、30代でミリオンセラーを達成した、史上初めてのアーティストとなった。本作を携え開催された全国アリーナツアー「namie amuro BEST FICTION TOUR 2008-2009」では、自身最大規模となる約50万人の観客を動員。MCを挟まず、まるでDJプレイのように楽曲をつなぎ、純粋にパフォーマンスだけで勝負するライブスタイルが確立したのもこの頃だ。

出典元:YouTube(Namie Amuro)


2010年代:4年代連続ミリオンセラーの偉業

デビュー20周年を迎えた2012年には、シングル「NAKED」「Love Story」などを含むアルバム「Uncontrolled」を発表。この作品で、日本人女性初の2作連続“アジア5カ国(地域)での音楽チャート1位”を獲得。年末には初の全国ドームツアー「namie amuro 5大ドーム TOUR 2012 〜20th Anniversary Best〜」を開催した。

その後も毎年のようにオリジナルアルバムをリリースし、大規模なツアーを開催。2016年のシングル「Hero」(NHKリオ・デ・ジャネイロオリンピック・パラリンピック放送テーマソング)が大ヒットするなど順調にキャリアを積み重ねてきたが、デビュー25周年イヤーの2017年9月に、翌2018年の9月で引退することを発表。11月に初のオールタイムベストアルバム「Finally」を発表し、全アーティスト史上初の10代〜40代の4年代連続ミリオンセラーを成し遂げた。

出典元:YouTube(Namie Amuro)

2018年2月からはラストツアー「namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜」を開催。全国5大ドームツアー17公演で約75万人を動員し、ソロアーティストとして最多動員記録を更新した。9月15日に行われた安室奈美恵が出演する最後のライブ「WE ❤︎NAMIE HANABI SHOW 前夜祭」にはBEGIN、平井堅、MONGOL800、DOUBLE、山下智久、ジョリン・ツァイなどが駆けつけ、コラボレーション曲などを披露。最後はファイナルツアーのラスト曲でもあった「How do you feel now?」を歌い上げ、平成を代表する稀代のアーティストは、自らのキャリアに幕下ろした。

出典元:YouTube(Namie Amuro)


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