中田ヤスタカ、世界へつながる最新作を全曲解説で紐解く

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中田ヤスタカの1stソロアルバム『Digital Native』が、2/19付オリコン週間デジタルアルバム・ランキングで初登場1位を獲得しました。

(出典元:Yasutaka Nakata Official)

中田さんといえば、Perfumeや きゃりーぱみゅぱみゅ など、国民的アーティストのプロデュースはもちろん、DJや自身のユニットCAPSULEとしての先鋭的な音楽活動。さらに、国内外アーティストへのリミックス提供や、映画サウンドトラック、ニュース番組などのテーマ曲、ブランドのコレクション用楽曲などを手がける作曲家として活躍されています。

(出典元:Yasutaka Nakata Official)

そんな彼の個人名義としての初のソロ・アルバム作品が『Digital Native』。本作は、映画『何者』の主題歌「NANIMONO(feat. 米津玄師)」や、世界的人気アーティスト Charli XCXと、きゃりーぱみゅぱみゅをフィーチャリングした「Crazy Crazy」、NHK総合『ニュースチェック11』テーマソング「Source of Light」など、バラエティに富んだ全10曲を収録。

(出典元:Yasutaka Nakata Official)

東京代表として、音楽シーンを半歩先ゆくスピードで牽引してきた中田ヤスタカ。ストリーミング音楽時代、様々な音楽がライブラリー化されているなか、中田ヤスタカはどんなサウンドでプレゼンテーションをするのか? 2018年要注目作品『Digital Native』の魅力を、全曲解説で紐解いていきましょう。

(出典元:Yasutaka Nakata Official)

1. White Cube




オープニングにふさわしいフューチャー・ベースでカラフル・ポップなファンファーレ。時折挟み込まれるエフェクティブなヴォイスもキュート。起承転結に感情のワビサビを表現しつつ、ゲームBGMのようなピコピコ・サウンドをエッセンスに、快楽ポイントを突きまくるポジティヴィティ高い、高揚感でいっぱいのダンサブルなポップネス。辛さ18倍! 日清カップヌードル チリトマトヌードル「White Mystery篇」CM曲ですね。


2. Crazy Crazy (feat.Charli XCX & Kyary Pamyu Pamyu)




世界的トレンドセッターCharli XCXと きゃりーぱみゅぱみゅ という二大ポップアイコンをフィーチャリングした世界基準なエレクトロ・ポップ・アンセム。中田ヤスタカ曰く“自分のアルバムを出すことを前提に自分の楽曲を作る”というアルバム制作テーマのもと、キラーチューンとなる本作を海外シーンへ届けられた意義は大きいなと。Charli XCXが急遽キャンセルで幻となりましたが、夏フェスでのコラボ観てみたかったなぁ。


3. Love Don’t Lie (Ultra Music Festival Anthem) (feat.ROSII)




日本人初、世界最大級の都市型ダンスミュージック・フェス『Ultra Music Festival 2017』世界公式アンセムとして制作したナンバー。気負うことなく、中田ヤスタカらしいプラスティックにキラキラとしたサウンド感が感情をせつなさとともにアップリフトしてくれます。ギラギラすることなく、優しくもメロディアスな心地良き展開が“いまの時代感”なのかもしれません。青空が似合う、空を浮遊するかのようなEDMポップ。


4. NANIMONO (feat.米津玄師)




作詞は“デジタル・ネイティブ世代”を代表する米津玄師、作曲は中田ヤスタカという、東京ポップシーンを代表するゴールデンコンビによるナンバー。映画『何者』主題歌であり、就活に悩み自己のアイデンティティーを探す、登場人物の感情を吐露するドラマティックにフレッシュな展開が絶妙。カットアップされたヴォーカルであげていく機能的なギミック。自分の人生を重ね合わせて、思わず口ずさみたくなる大名曲です。


5. Source of Light




NHK 総合『ニュースチェック 11』番組テーマソング。イントロ展開での遊び心ある「Born Slippy」的なシンセサイザーの響き。EDMへのカウンターにも感じた、思わず両手をあげたくなる至福感でいっぱいの踊れるフューチャー・ベースなポップ・ミュージック。進化する“デジタル×ダンスミュージック”サウンドは世界の壁を乗り越えていきます。そんな可能性を感じさせる加速度が魅力な、雄大で世界観の大きなナンバー。


6. Digital Native




CAPSULE、14thアルバム『CAPS LOCK』に収録された「RETURN」を彷彿とさせる、8ビットなロール・プレイング・ゲームのワンシーンを予感させるSF映画的なインストゥルメンタル・ナンバー。中田ヤスタカといえば無類のゲーム好き。2003年、はじめて取材したアルバム『CUTIE CINEMA REPLAY』リリースの際にも、ゲームミュージックを語られていたことを思いだします。終盤のピアノフレーズが切なくも愛おしい。


7. Jump in Tonight (feat.眞白桃々)




フィーチャリング・ヴォーカルを務めたのは、ローソンで働いているクルーの夢を応援するプロジェクト『ローソン・ドリーム・アーティスト・オーディション』でグランプリを獲得した、フリーのモデルとして活躍する眞白桃々(ましろ・もも)。アニメちっくにキュートでファニーな歌声と、キャンディ・ポップなハジけるサウンドが魅力の、MBS日曜深夜/TBS火曜深夜のドラマ『マジで航海してます。』オープニング・テーマ。


8. Level Up (feat.banvox)




中田ヤスタカの真骨頂である絵の見えるドラマティックな音像の深み。フォーチャリングとしてコライト(共作)参加した鬼才banvoxが創造する、ダブステップに弾ける強靭なるビート・ダイナミクス。まるでロール・プレイング・ゲームのボス敵登場シーンのように、シリアスにダンスフロアに響き渡る様が眼に浮かぶサイレンのごとく研ぎ澄まされた美しき音の響き。アグレッシブに中毒性高い展開がクセになります。


9. Wire Frame Baby (feat.MAMIKO[chelmico])




発売後、SNS界隈でも盛り上がりを感じる注目のキラーチューン。音数やテンション控えめ、おしゃれなシンセ・フレーズがビートを牽引する時代感あるクールなポップチューン。女性2人組HIP HOPユニットChelmicoのMAMIKOをラッパーに迎えた、抑えめBPMによる四つ打ちビートが耳に心地良い。MAMIKOは歌詞も手がけ、歌詞に“Perfume”や“もんだいガール”が出てくるなど、遊び心ある隠れキャラ感もツボです。


10. Give You More




レッドブルが日本の音楽に”翼をさずける”をテーマに東京の街で音楽フェス『レッドブル・ミュージック・フェスティバル 東京 2017』を開催した際に提供したテーマソング。8ビットなチップチューンや、trfライクなTKっぽいシンセフレーズをフューチャーベースの文脈で再構築していく様が絶妙。まるでゲームをクリアした際の、高揚感でいっぱいの至福な気持ちをあらわすかのように、大団円を迎えていきます。


ふくりゅう

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、J-WAVE、ミュージック・マガジン、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフ、TM NETWORKツアーパンフ、SMAPタブロイド風新聞フライヤー、『別冊カドカワ 総力特集 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』発売中! https://twitter.com/fukuryu_76

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