まだまだある! SHISHAMOの名曲の数々

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森朋之

初のベストアルバム「SHISHAMO BEST」をリリースしたSHISHAMO。夏フェスの定番ソングとして人気を得ている1stシングル「君と夏フェス」、2017年のNHK紅白歌合戦でも披露されたヒット曲「明日も」、<君だけは君を恥じるなよ>とリスナーの背中を押す最新シングル「OH!」までのシングル9曲に加え、 アルバムのみに収録されていた「僕に彼女ができたんだ」「恋する」なども収録。5周年アニバーサリーの締めくくりにふさわしい作品となっています。


出典元:YouTube(shishamoofficial)

SHISHAMOの入門編としてもピッタリな「SHISHAMO BEST」と連動して、“知る人ぞ知るSHISHAMOの名曲”5曲をピックアップ。豊かなポップネスをたたえたサウンド、まるで短編映画のようなストーリー性を含んだ歌の世界をたっぷり楽しんで。


あの子のバラード(1stアルバム「SHISHAMO」収録)

エレキギターの弾き語りではじまる「あの子のバラード」は、“私”のすぐ隣にいる親友に対する思いを綴ったミディアム・バラード。彼女はとてもモテる。顔がかわいいだけではなくて、性格もいい、だから嫌いになれない。私が気になっている“君(男子)”もきっとあの子のことが好きなんだろうな……とひとりでモヤモヤとした気持ちをまっすぐに描いたこの曲は、女性リスナーの強い共感を呼ぶはず。繊細な感情を生々しく映し出すボーカルも絶品。また、シンプルな3ピースサウンドで歌を引き立てるSHISHAMOのスタイルは、既にこの時期から確立されています。


さよならの季節(2ndアルバム「SHISHAMO 2」)

切れ味鋭いギターカッティング、タイトなビートを刻むドラム、アンサンブルのボトムをしっかりと支えるベース、そして、ドラマティックな起伏を描くメロディライン。アルバム「SHISHAMO2」の最後を飾るこの曲は、SHISHAMOの特徴が端的に示されたロックンロール・ナンバー。卒業シーズンを背景に、憧れの先輩への切ない思いをテーマにした歌詞も印象的。特に「ねえ先輩 あたしのことを思い出にしないで」というフレーズ、震えるような恋心を感じさせる歌の表現は、ソングライター・宮崎朝子(Gt.Vo)の才能をはっきりと証明していると言えるでしょう。


中庭の少女たち(3rdアルバム「SHISHAMO 3」)

疾走感に溢れたドラム・ロールから始まるこの曲は、シャープな手触りを感じさせるバンドアンサンブル、切なさと解放感を同時に感じさせてくれる旋律がひとつになったアッパーチューン。“昼休みの中庭に集まる女の子たち”をテーマにした歌詞は、もちろん単なる青春ソングではなく、“大人になって、いろんなことがわかった後も、こんなふうに笑え合えるのかな?”という微かな不安を描くことで、幅広い層のリスナーの心を揺らす普遍的なポップミュージックとして成立しています。キャッチーかつエモーショナルなギターソロにも注目!


恋(4thアルバム「SHISHAMO 4」)

3ピースのロックンロールのイメージもあるSHISHAMOですが、このバンドは結成当初からジャンルに捉われることなく、純粋に“いい音楽”を追求しています。そのことを象徴している曲のひとつが「恋」。ノスタルジックなオルガンの響き、可愛らしいグロッケンの音色などを取り入れたアレンジ、穏やかさと切なさを含んだメロディライン、心地よく広がるハーモニーなど、彼女たちが持っている豊かな音楽性を実感できるナンバーと言えるでしょう。人を本気で好きになったときの楽しさ、つらさ、怖さ、悲しさを伝える歌詞も秀逸。純度の高いラブソングは、まさにSHISHAMOの真骨頂です。


私の夜明け(5thアルバム「SHISHAMO 5」)

アコースティックギターのストロークとともに歌われるのは、“生きることは傷つくこと”という日常を生きるひとりの女の子。息苦しさ、理不尽さを感じながら、周囲への不満、自分自身への物足りなさを抱え、それでも前を向いて進んでいく——この曲が伝えていることは、未来に希望を持つのが難しく、ぼんやりとした不安を感じている(はずの)すべての人の感情を強く揺さぶるはず。シンプルな言葉で本質的なメッセージを映し出すこの曲は、SHISHAMOの表現がゆっくりと広がっていることを実感させてくれます。ストリングスを交えたオーガニックなサウンドメイク、ひとつひとつのフレーズを手渡すようなボーカルも印象的。


森朋之

音楽ライター/’00年頃からライター活動をスタート。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。個人的に好きなジャンルは、ストーンローゼズ、オアシス、プライマルスクリームなどのUKロック。

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