3人の天才ジャズメンと3つの物語

3人の天才ジャズメンと3つの物語
KKBOX編集室
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2016年12月、偶然の一致か天才的ジャズ・ミュージシャン3人の映画が上映されます。チェット・ベイカー、ジャコ・パストリアス、マイルス・デイヴィス。3人に共通する点は一社会人としてその生き方はまったくNGなのですが、自分にしか出せないオリジナルなトーン(音色)を持っていること、故人となった今でもその評価は高まるばかりだということ、そして3人ともかっこいいことです。この3つの映画と、そして本人の映像も紹介します。
映画『ブルーに生まれついて』
出典元:(YouTube:ponycanyon) メロディアスなトランペットと甘い歌声で、当時マイルス・デイヴィスと人気を二分したジャズ・トランペッター、チェット・ベイカー。人気としては1950年代に最初のピークがあり、基本的にはトランペットを吹くのですが、全曲で歌った1956年のアルバム『チェット・ベイカー・シングス』で更に幅広くファンを獲得します。 ドラッグに溺れ、決して幸福な人生ではなかった彼の再起をかけたライブを中心に描かれたこの映画、11月26日(土)より全国で順次公開されています。映画の中ではイーサン・ホークがチェットを演じ、音源としては使われないのにも関わらず半年間トランペットの集中トレーニングを行なった成果と歌を披露しています。プレイリストでは、イーサンが歌う映画のサントラとチェット・ベイカーのオリジナルの順で選曲。また、ビル・エヴァンスが参加したアルバム『チェット』からただただ美しい「アローン・トゥゲザー」をお聴きください。
出典元:(YouTube:MetrodomeVOD) ▼1988年に写真家のブルース・ウェーバーがモノクロのスタイリッシュな映像で監督したドキュメンタリー映画『Let’s Get Lost』では、晩年の本人が出演し周囲の女性や友人から、いかにだらしないダメ男かを露呈しています。こちらの動画でチェット本人を確認してみてください。
映画『JACO』
出典元:(YouTube:映画JACO[ジャコ]公式YouTube) 1987年に35歳で亡くなって以降も多大なる影響を与え続けているエレクトリック・ベース界の革新的プレーヤー、ジャコ・パストリアス。70年代後半、80年代前半には数回来日公演を行なっています。メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルージロが製作総指揮を行なった映画『JACO』が12/3(土)より公開されます。インタビュー・シーンではフリー(レッチリ)、ジョニ・ミッチェル、スティング、ハービー・ハンコックほかもコメントを寄せ、現存する映像を編集したドキュメンタリー。 ジャコもチェット・ベイカーと同じく、プロ・ミュージシャンとしての成功と共にドラッグやアルコールに溺れ、日本来日時も様々な奇行の逸話を残しました。そんな彼の点から与えられた唯一無二の才能をこの映画で目撃出来ればと思います。ジャズ/フュージョンに興味がなくとも、楽器を演奏する人たちみんなに見てもらいたい映画です。 次の動画は1978年ドイツで収録された9分強のベースソロ。
出典元:(YouTube:EUM) ▼1978年ウエザー・リポートのドイツ・オッフェンバッハ公演での9分強のベースソロ。ソウル
映画『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』
出典元:(YouTube:SonyPicturesJapan) 「ジャズの帝王」と形容されているトランペッター、マイルス・デイヴィスが70年代後半、健康状態の悪化による隠遁生活をひていたころにスポットライトを当てた映画です。彼の映画の実現に向けて主演を演じたドン・チードルは途中で枯渇した資金調達のためにクラウド・ファンディングを行ない、最終的には製作と監督も行なうことになります。ドンもイーサン・ホーク同様トランペットのトレーニングを受け、また膨大な映像資料を収集し、その特徴的なハスキーヴォイスで演じています。音楽を担当するのはロバート・グラスパー。12/23(金)から全国で順次公開されます。
出典元:(YouTube:Miles Davis on MV) ▼映画の設定とほぼ同時期、1970年アメリカ・マサチューセッツ州タングルウッドでのライブ。キース・ジャレット、チック・コリア、ジャック・ディジョネットらが参加しています。
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