エイジアン・カッティングエッジ

エイジアン・カッティングエッジ
柴那典
柴那典

国境を超えて活躍するアーティストが当たり前にシーンを揺るがすようになった2018年。今、欧米の音楽シーンで、東アジアにルーツを持つミュージシャンたちが脚光を浴びつつある。カッティングエッジな音楽を追求しているアーティストたちがリスペクトで繋がり合う結びつきの中で、当たり前に日本や韓国などのアーティストが活躍するようになっている。「88rising」などのメディアプラットフォームもそれを押し上げている。ここではそんな面々を紹介したい。


Nosaj Thing


出典元:Innovative Leisure

まずはLAを拠点に活動するプロデューサー、Nosaj Thing。本名はジェイソン・チャンという韓国系のアメリカンだ。西海岸ヒップホップ・シーンの影響を受けて育った彼は、2009年の『ドリフト』でデビュー以降着実にキャリアを積み重ね、ケンドリック・ラマーやチャンス・ザ・ラッパーのプロデュースを手掛けるなど数々のミュージシャンに支持される存在となった。2017年にリリースされたアルバム『Parallels』は、フューチャー・ソウル、ミニマル、ビート・ミュージックなど様々なスタイルで近未来的なサウンドを描く一枚。ダークで深遠なトラックが聴き所だ。


Yaeji


出典元:88rising

韓国人の両親の元、NYで生まれ、現在もNYのブルックリンを拠点に活動する気鋭の女性シンガー/DJ/プロデューサー、Yaeji。本名はKathy Yaeji Leeという24歳だ。2017年3月にデビューEP『Yaeji』をリリース、続いて11月にリリースした『EP2』に収録された「Drink I'm Sippin On」が「クゲアニヤ〜」という中毒性の高い韓国語のフックで大きな注目を集めた。ミニマルなハウス・ビートにどこか知的な艶めかしさを宿す彼女のトラックメイキングとヴォーカルのセンスは、アンダーグラウンドシーンからも注目を集めている。ドレイク「Passionfruit」のカバーも出色。


BIGYUKI


出典元:BIGYUKI

ジャズとヒップホップが交差する「ロバート・グラスパー以降」の新たなシーンでプレイヤーとして目覚ましい活躍を見せているキーボード・プレイヤーがBIGYUKIこと平野雅之。バークリー音楽大学に在学中からセッション・プレイヤーとして活躍し、NYで様々なアーティストと交流。ア・トライブ・コールド・クエストやJ・コールの作品に参加するなど第一線で活躍している。2017年11月にリリースした最新アルバム『リーチング・フォー・ケイローン』から、先日、新曲「2060 Chiron」のミュージックビデオを公開。こちらは野性爆弾のくっきーが制作したインパクト充分のものに仕上がっている。


joji


出典元:88rising

88rising所属、大阪出身のオーストラリアと日本のハーフ、jojiことジョージ・ミラー。「フィルシー・フランク」の名義や「ピンク・ガイ」の名義でバカバカしくお下劣な動画をYouTubeに挙げていた彼だが、一念発起して昨年から「joji」名義で始めたプロジェクトはディープなオルタナティヴR&Bに囁くような歌声が響く音楽性で、とてもシリアスでクール。サスペンス風のミュージックビデオにも力が入っていて、思わず引き込まれる。


柴那典
柴那典

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