起死回生した奇跡のK-POPアーティストたち

起死回生した奇跡のK-POPアーティストたち
DJ泡沫
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今、韓国の音源チャートのトップを走っている話題の楽曲といえばBrave Girlsの「Rollin'」だろう。元々は2017年にリリースされた楽曲だが、突如として大きな話題となりチャート1位を獲得。2021年2月末から2ヶ月間もの間TOP3の座をキープしている。


出典元:YouTube(Mnet K-POP)

ブレイクのきっかけは、YouTubeの面白い動画やコメント紹介するチャンネルで、Brave Girlsの軍慰安公演の動画やコメントが紹介されたこと。成人男子への兵役義務制度のある韓国では女子アイドルの軍慰安公演は珍しくなく、「国防TV」というミリタリーチャンネルの音楽番組「慰安列車」でライブステージが披露されている。Brave Girlsは大衆的にはブレイクする機会がなかったが、軍の慰安公演では「最長の政権軍大統領」と呼ばれるほどの人気を誇っており、「Rollin'」は韓国のアイドル好きの間でも隠れた名曲と言われていた。Tの字に両手を広げてローリングするダンスと共に「ミルボード(ミリタリー+ビルボードの造語)1位」「先任が後任に引き継ぐ(韓国の軍隊でよく使われるフレーズで「代々引き継いでいく」という意味)」という紹介もされていた。それが動画をきっかけに一般層まで飛び火し、Brave Girlsはデビュー10年目(現在のメンバーは2016年からの2期メンバー)にして、初の音楽番組1位を獲得するなど一躍ホットな存在になった。


出典元:YouTube(비디터ᴠɪᴅɪᴛᴏʀ)

2010年代に韓国ではデジタルストリーミングでの音楽試聴が主流となり、元々ファンが多い人気歌手がリリースからすぐに上位に入って段々と順位が落ちていくという流れが一般的になった。それでも何かのきっかけで、100位圏外だった曲が徐々にチャートを上がって1位になる現象のことを〈逆走行〉と呼ぶようになったという。今回はBrave Girlsと同じように〈逆走行〉したグループやアーティストを紹介していこう。


Bar Bar Bar / CRAYON POP

出典元:YouTube(POP CRAYON )

〈逆走行〉という言葉を最初に一般化させたのは、2013年にリリースされたCRAYON POPの「Bar Bar Bar」と言われている。レトロ風味のポップな曲に直列5気筒ダンスと呼ばれ、シリンダーのように交互にジャンプする振り付けが印象的な曲だが、リリース当時は音楽チャート100位圏外だった。やがて様々なイベントでのファンによる密着カメラでの動画やプロモーションビデオがSNSなどによって広まり、1ヶ月をかけて音源順位が徐々に上がっていった。その年のMAMAでは新人賞も受賞し、2014年にはレディ・ガガの全米ツアーのオープニング・アクトを務めたりも。


Up&Down / EXID

出典元:YouTube (EXID_OFFICIAL)

CRAYON POPと同様に、ファンが撮影した動画がきっかけで逆走して人気が爆発した曲としては、EXIDの「Up&Down」が知られている。強烈なサックスのイントロが印象的でセクシーな雰囲気のアッパーな曲だが、2013年8月のリリース当時は大きな注目は集められなかった。そして本来の活動期間よりも短く活動を終了してしまったが、メンバー・ハニの慰問公演での映像が話題になり、11月にチャートを急上昇し始めた。12月には同曲の再活動を行い、1月には音楽番組で1位を獲得するまでになった。この流れからEXIDは「チャート逆走アイドル」として人気を集めていった。


Wi Ing Wi Ing / HYUKOH

出典元:YouTube (SEOUL MUSIC / 서울뮤직)

TV番組で紹介された事で、チャートを逆走行した例もある。日本でも人気のHYUKOHの「Wi Ing Wi Ing」は、熾烈な競争社会で様々な事を諦めなければいけない韓国の若者の心に響く曲として、インディーズ界隈で大きな人気を集めていた。リリースされた2014年、一般的にはまだ無名の存在にだったにも関わらず突然検索ランキング1位になり、翌月に放映された人気バラエティ「無限挑戦」の歌謡祭スペシャルにHYUKOHが出演したことでチャート1位まで〈逆走行〉した。


Downtown Baby / BLOO

出典元:YouTube (UNCUTPOINT)

韓国の好感度ナンバーワン・タレントであるユ・ジェソクの人気テレビ番組「遊ぶなら何する?」で、韓国の元祖バッド・ディーバことイ・ヒョリが出演しカバーして話題となり、チャートを大逆走したのが2017年にリリースされたBLOOの「Downtown Baby」だ。Loopyやnaflaなど人気ラッパーたちとともにMKIT RAINクルーに所属していたBLOOのブレイク作となり、IZ*ONEやTWICE、IUといった強豪が並ぶ6月の韓国音源チャートで次々と1位を獲得した。また、今年4月に「遊ぶなら何する?」に出演した2000年代のレジェンドボーカルグループのSG WANNABEの「Timeless」は、予告映像が流れた段階で複数の曲がチャートインし始め、出演後は「Timeless」がBrave Girlsを抜いて1位になった時もあった。


GANG / Rain

出典元:YouTube (GENIE MUSIC)

Rainの「GANG」は、ネットとTVの相乗効果で再注目された楽曲だ。2017年発表当時は反応があまり良くなかったが、2019年頃からYouTube動画などで歌詞や振り付けなどがネタにされ始めた。2020年にTikTokなどで始まったGANGのダンスを真似していく「GANGチャレンジ」の流行で本格的な話題に。その後、前述のテレビ番組「遊ぶなら何する?」に出演したRainが、直接「GANG」のバズりに言及してから本格的に音源チャートで〈逆走行〉を始めた。


このように、韓国で一般人の間にまで注目度が波及して曲がチャートを〈逆走行〉するには、ネット上の口コミや動画サイトきっかけだけではなく、人気TV番組の力がまだまだ有効という事だろう。



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