邦ロック初心者におすすめのバンド29選|名曲解説あり

邦ロックに興味があるけれど、どのバンドから聴けばいいかわからないという人も少なくないはず。RADWIMPS・ONE OK ROCK・MAN WITH A MISSION・銀杏BOYZ・東京事変・クリープハイプ・My Hair is Badなど、ひとくちに邦ロックといってもバンドごとにさまざまな個性があります。
そこで今回は、世界的な知名度を誇るバンドから近年飛躍的にその知名度を拡大させているバンドまで、邦ロックを象徴する29バンドをそれぞれの代表曲とともに紹介します。春フェスに夏フェスなどの大型イベントがますます盛り上がりを見せるなかで、ぜひこの記事をきっかけに新たなお気に入りのバンドを見つけてみてはいかがでしょうか。
邦ロックの歴史を知ろう〜「邦ロック」ができるまで〜
日本では60年代以降さまざまなバンドが活躍しましたが、空前のバンドブームが起きたのは80年代〜90年代にかけてのこと。とりわけ「邦ロック」というジャンルの確立の一助となったのが各種ロック・フェスティバルの発足です。なかでも先駆けとなったのは1996年に始動したSWEET LOVE SHOWERと、1997年に始動したFUJI ROCK FESTIVAL。その後RISING SUN ROCK FESTIVALに、SUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN FESTIVALとロック・フェスティバルが次々に始動し、夏の風物詩として広く浸透することに。こうしたロック・フェスティバルがロックというジャンルを一括りにしイベント化することで、ひとつのカルチャーとして興隆し、次第に「邦ロック」は市民権を得るとともにジャンルとして確立され、ほどなくして邦ロックはJ-POPに勝るとも劣らない人気ジャンルとなりました。
これを聴けばあなたも邦ロック通に!初心者におすすめの人気バンド29選
ここからは、邦ロック黎明期から時代を彩ってきた人気バンドや令和の現在著しく人気を広げている注目の邦ロックバンドまで、初心者のみなさんが押さえておくべき定番邦ロックバンドを29バンド厳選してご紹介します。
RADWIMPS
代表曲:前前前世
ラッドの愛称で親しまれるRADWIMPSは、2001年結成の4人組。作詞・作曲を手掛ける野田洋次郎(ギター・ボーカル)を中心に、桑原彰(ギター)、武田祐介(ベース)、山口智史(ドラム)からなる邦ロックの代表的なバンドのひとつ。彼らの代表曲のひとつといえば、2016年にリリースした「前前前世」。世界中で大ヒットを記録した新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』の主題歌に起用されたほか、バンドは20曲以上に上る劇中音楽を担当し、日本中にラッド旋風を起こしました。本曲のヒットをきっかけに、バンドは同年12月のNHK紅白歌合戦に初出場、国民的バンドの地位を確立しました。
ONE OK ROCK
代表曲:The Beginning
2005年に結成、「ワンオク」の愛称で若い世代を中心に世界中から熱狂的な支持を集めるロック・バンド、ONE OK ROCK。森進一と森昌子という大物歌手を両親に持つTakaをボーカルに擁する4人組。全国を巡るライヴハウスツアーや各地の夏フェスに出演しながらその人気を拡大させ、日本武道館公演や野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナツアーを経て、現在は世界各国をツアーし続けるモンスターバンドに成長。不動の地位を確立しています。2012年8月にリリースした『The Beginning』は、映画『るろうに剣心』の主題歌に起用され、日本のみならず彼らの名を世界に轟かすことに。その活動は日本のみならず、海外レーベルと契約するなど、世界規模で活躍するロックバンドとして知られています。
MAN WITH A MISSION
代表曲:Raise your flag
一度見たら忘れられない狼5匹からなるバンド、MAN WITH A MISSION。「マンウィズ」の愛称で親しまれるバンドは、ロックやダンス・ミュージックをミックスしたアグレッシブなサウンドで、多くのロックファンから熱狂的な支持を集めています。メジャーデビューからわずか2年後の2013年には日本武道館公演を成功させ、今や世界中で人気を集めています。彼らの代表曲「Raise your flag」は2015年リリースでストリングスと2ビートの疾走感が印象的な一曲。また、最近ではアニメ『「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』オープニング・エンディングの主題歌をmiletとのタッグで務めたことでさらにバンド新たなファンを獲得しています。
King Gnu
代表曲:一途
東京藝術大学出身のクリエイター、常田大希を中心に、ボーカルの井口理・ベースの新井和輝・ドラムの勢喜遊からなる4人組、King Gnu。ロック・ヒップホップ・ジャズ・ファンクなどさまざまな音楽をKing Gnuなりの解釈でアウトプットしたそのサウンドは、「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と自ら称しています。バンド初のドラマタイアップにして代表曲のひとつ「白日」は、ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」主題歌として書き下ろされた楽曲。罪への心情を赤裸々に歌う本曲でドラマの世界観を忠実に反映し、大きな話題となりました。その後も「一途」「カメレオン」「Stardom」などリリースのたびにヒットを記録する、令和の邦ロックを象徴するアーティストのひとつです。
BUMP OF CHICKEN
代表曲:天体観測
バンプの愛称で知られるBUMP OF CHICKEN。ギター・ボーカルの藤原基央を中心に、中学の同級生で結成されたバンドが2001年にリリースしたメジャー2nd シングル「天体観測」は、彼らの代名詞的な一曲。売上累計55万枚を超える大ヒットを記録した本曲は、ギターのフィードバックノイズから幕を開け、疾走感あるイントロから藤原のボーカルのささやくように歌うさまに一気に惹き込まれるのが印象的。「見えないものを見ようとして 望遠鏡を覗き込んだ」でおなじみのサビは、誰もが一度は耳にしたことがあるのでは。米津玄師やRADWIMPSの野田洋次郎、Official髭男dismの藤原聡ら多くのアーティストからも熱い支持を集める、邦ロックを代表するバンドのひとつです。
MONGOL800
代表曲:小さな恋のうた
1998年に高校の同級生で結成された沖縄県出身の3人組、MONGOL800。モンパチの愛称で知られる彼らは、2001年9月リリースの2ndアルバム『MESSAGE』がインディーズながら300万枚近いセールスを記録しその名を全国に轟かせました。同アルバムに収録の「小さな恋のうた」は、郷愁感溢れるメロディに一途に相手を想う歌詞で共感を集め。彼らの代表曲のひとつ。リリースから6年経った2007年にフジテレビのドラマ『プロポーズ大作戦』の挿入歌に起用されたことで、同曲は国民的な認知を獲得。2021年にはストリーミング累計再生回数が1億回を突破するなど、発表から20年以上が経過する今も広く愛され続けているバンドです。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
代表曲:リライト
アジカンはフロントマンの後藤正文を中心に、1996年に大学の音楽サークルの中で結成されました。彼らが2004年8月にリリースしたシングル「リライト」は、バンド初のタイアップとしてアニメ『鋼の錬金術師』のオープニングテーマに起用された。彼らの最も有名な楽曲のひとつ。サビの「消してーリライトしてー」と叫ぶキャッチーなサビは大合唱必須で、30代以上の邦ロック好きのカラオケ定番曲としても親しまれています。なお、近年後藤はGotch名義で社会活動も活発に行っており、多方面で注目を集める/多大な影響力を持つ人物となっています。
ELLEGARDEN
代表曲:スターフィッシュ
1998年にフロントマン細美武士を中心に結成された「エルレ」ことELLEGARDEN。細美の激しく時にやさしい歌声と耳残りのよい印象的なメロディ展開で、多くのリスナーを魅了。2008年に惜しまれながらも活動休止するも、2018年に活動を再開。彼らの名曲といえば、2004年5月発売の3rdアルバム『Pepperoni Quattro』に収録の「スターフィッシュ」。エモーショナルで疾走感あるメロディに「こんな星の夜は 全てを投げ出したって どうしても 君に会いたいと思った」という真っ直ぐな歌詞が印象的な名曲です。
Hi-STANDARD
代表曲:STAY GOLD
「ハイスタ」の愛称で親しまれるHi-STANDARDは、難波章浩・横山健・恒岡章の3人によって1991年に結成されたバンド。海外での音源リリースや世界中でのツアー、自身でのレーベルを立ち上げなど、その活動スタイルは日本のロック・シーンの発展に大きく貢献しました。2000年代以降に登場したバンドのほとんどが彼らからの影響を公言するほど、その影響力の大きさは絶大。「メロコア」という新しい音楽ジャンルを築き、現在進行形で今も数々のバンドに影響を与え続ける伝説的なバンドです。彼らの代表曲のひとつ「STAY GOLD」は、エモーショナルな歌詞と疾走感あるパンキッシュなサウンドが何よりも魅力。本曲を収録した1999年リリースの『MAKING THE ROAD』は、インディーズながらも100万枚以上を売り上げた名盤で、伝説の1枚として今も語り継がれています。
10-FEET
代表曲:第ゼロ感
ロックを中心に、パンク・ヘヴィメタル・ヒップポップ・レゲエなどさまざまなジャンルを横断したサウンドで人気を集めるスリーピースバンド、10-FEET。TAKUMA、NAOKI、KOUICHIの3人で1997年に京都で結成、2003年にメジャーデビュー。2007年から地元・京都で野外フェス「京都大作戦」を開催し、以降夏フェスの風物詩のひとつとして人気を博しています。2022年11月には映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング主題歌として『第ゼロ感』をリリース。原作者・監督・脚本を手掛けた井上雄彦とともに作り上げた同曲は、映画のヒットとの相乗効果でバンド史上最大のヒットを記録。2023年4月にはストリーミング総再生回数が1億回を超え、バンドのキャリアを象徴する代表曲のひとつとなりました。
NUMBER GIRL
代表曲:透明少女
1995年8月に向井秀徳(ギター・ボーカル)、田渕ひさ子(ギター)、中尾憲太郎(ベース)アヒト・イナザワ(ドラム)の4人で結成されたロック・バンド。ナンバガの愛称で親しまれる彼らのデビュー・シングルの「透明少女」は、掻き鳴らされるギター・リフから一気に疾走する、これぞギター・ロックという名曲。彼らが邦楽ロック・シーンに与えた影響は計り知れず、音楽ファンからはもちろん、数多のミュージシャンまで、彼らから影響を受けた人が後を絶ちません。世代を超えて愛される伝説のバンドのひとつです。
銀杏BOYZ
代表曲:BABY BABY
若者を中心にカリスマ的な人気を誇るロック・バンド、銀杏BOYZ。前身バンドGOING STEADY解散後にフロントマンの峯田和伸を中心に2003年に結成、2000年代のインディーズ・シーンで一世を風靡しました。楽曲はもちろん、ボーカル峯田の過激なライブ・パフォーマンスも話題となり、青春パンク・ブームを代表するバンドのひとつです。彼らの代表曲「BABY BABY」は、2005年1月にアルバム『DOOR』とともに同時発売された『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』に収録。淡い恋心を歌ったポップなメロディが多くの若者の心を掴み「BABY BABY 君を抱きしめていたい」というキャッチーなサビでおなじみ。俳優の福士蒼汰や菅田将暉、お笑い芸人・空気階段の鈴木もぐらといった著名人にも多くのファンを持ち、幅広い世代から愛されているバンドです。
東京事変
代表曲:群青日和
シンガーソングライター・椎名林檎を中心に2003年に結成された東京事変。メンバーには音楽プロデューサーの亀田誠治(ベース)や、星野源などのサポートを行う浮雲(ギター)など、凄腕ミュージシャンを擁します。バンドの代表曲「群青日和」は、2004年9月のメジャーデビュー・シングルとしてリリースされた一曲。「新宿は豪雨」という強力な歌い出しと、彼女たちのバンド名にもある “東京” を描写する歌詞、そしてキレのあるバンドの演奏、まさに「原点にして頂点」と言えるバンドの代名詞的な1曲です。
GLIM SPANKY
代表曲:愚か者たち
ブルースやロックを軸にしながら新感覚の音楽スタイルを切り拓く2人組の音楽ユニット、GLIM SPANKY。伝説のシンガー、ジャニス・ジョップリンの再来とも評されるボーカル・ギターの松尾レミのハスキーな歌声と、表情豊かなギター・フレーズで楽曲を彩る亀本寛貴の2人が織りなすロックサウンドが特徴。彼らの代表曲「愚か者たち」は、松坂桃李と沢尻エリカの共演で話題となった映画『不能犯』の主題歌として書き下ろされた1曲。音数は少なめで、洗練されたダークなサウンド。桑田佳祐や松任谷由美、加山雄三といった大御所ミュージシャンからも絶賛された人気アーティストです。
04 Limited Sazabys
代表曲:Swim
2008年に愛知で結成された4人組バンド、04 Limited Sazabys。フォーリミの愛称で親しまれる彼らは、特に若い世代からの人気が凄まじく、ボーカルGENの特徴的なハイトーンボイスと早いテンポで疾走感あふれるメロディーラインと激しいライブが魅力のバンドです。1stフルアルバム『CAVU』に収録の「swim」は、彼らの代名詞とも言える1曲。メロコア・サウンドに乗せて前向きなマインドを歌った本曲は、多くのリスナーの背中を押す1曲。日本中からロック・フェスに引っ張りだこのフォーリミは、まだまだ快進撃の途中と言えるでしょう。
PEOPLE 1
代表曲:Ratpark feat. 菅原圭
東京を拠点に、Deu・Takeuchi・Itoからなる3人組のPEOPLE 1。文学的でありながらさまざまな音楽ジャンルを横断するようなその世界観はまさに新世代。2022年末にはTVアニメ「チェンソーマン」のエンディングテーマに起用されストリーミングチャートを席巻。彼らの代表曲のひとつ「Ratpark feat. 菅原圭」は、人気急上昇中のシンガーソングライター・菅原圭を迎えて制作された1曲で、アグレッシヴに畳みかけるボーカルが印象的なキラーチューン。これからますます大きくなるであろうPEOPLE 1、目が離せない存在です。
フジファブリック
代表曲:若者のすべて
フジファブリックは、2000年に結成・2004年にメジャーデビューし、邦楽ロックシーンでカリスマ的な人気を確立。90年代後半から00年代前半にかけて全盛を迎えた「ロキノン系」の代表するバンドのひとつです。彼らの代表曲といえば、2007年11月にリリースした「若者のすべて」。ノスタルジックなサウンドに包まれて歌われるのは、夏の終わりに感じる切ない感情。本曲は藤井フミヤや槇原敬之、私立恵比寿中学といった著名アーティストにも多数カバーされており、ロック・バンドの枠を超えて受け継がれています。2013年の連続ドラマ『SUMMER NUDE』(フジテレビ系)の挿入歌に使用されたり、音楽の教科書に掲載されたりと、Z世代からの認知・人気も高い本曲。2009年末に急逝した志村が遺した、普遍的な人気を誇る名曲です。
くるり
代表曲:ばらの花
1996年、京都の立命館大学の音楽サークルで岸田繁を中心に結成されたくるり。1998年のメジャーデビュー以来、アルバムごとに音楽性を変えながらもコンスタントに作品を出し続ける、日本を代表するロックバンド。そんなくるりの代表曲のひとつが、2001年1月にリリースした「ばらの花」。繰り返しループされるピアノの音色と淡いメロディに、誰もが経験する青春のもどかしさを歌うセンチメンタルな歌詞が人気を博す一曲。2004年の連続ドラマ『オレンジデイズ』(TBSテレビ)の挿入歌に使用されたほか、奥田民生や矢野顕子といった著名アーティストもカバーするなど、世代を超えて愛される名曲として知られています。
きのこ帝国
代表曲:金木犀の夜
2007年に大学の同級生で結成されたきのこ帝国は、2015年にメジャーデビュー。シューゲイザーやポストロックを横断したポップなサウンドが魅力のバンドです。浮遊感の中に轟音と鋭さが共存する唯一無二の楽曲群のなかでも、特筆すべきは「金木犀の夜」。幻想的でノスタルジックな雰囲気の中で、まるで金木犀が香るように切なくも、どこか美しさを感じる1曲。その圧倒的な世界観で多くのファンを惹きつけましたが、2019年に活動休止を発表。ファンに衝撃を与えましたが、今も多くのリスナーに愛されるバンドです。
羊文学
代表曲:光るとき
ギター・ボーカルの塩塚モエカを中心に2011年に結成した3人組のオルタナティブ・ロックバンド。そのバンド名の如く、文学的な歌詞と透き通るような歌声、そしてオルタナ・シューゲイザーに影響を受けた美しい音楽性で唯一無二のサウンドを確立し、近年著しく知名度を高め、人気を博しています。2022年1月にはTVアニメ『平家物語』のオープニングテーマとして書き下ろした新曲『光るとき』をリリース。苦しい状況にありながらも前を向くことを歌ったバンドの新たな代表曲として知られています。今まさにブレイクの真っ只中とも言え、次のビッグ・アーティストの大本命と言われる羊文学。今後のシーンを担う最重要邦ロック・バンドのひとつです。
チャットモンチー
代表曲:シャングリラ
バンプやアジカンがシーンを盛り上げていた2000年代の邦ロック・シーンにおいて、ガールズバンドとして圧倒的な人気を集めていたチャットモンチー。2000年にボーカルの橋本絵莉子を中心に結成、2005年にメジャーデビュー。彼女たちの代名詞とも言える「シャングリラ」は、2006年11月にリリースするとオリコンシングルチャートで初のトップ10入りを記録、バンド史上最大のヒットシングルに。アニメ『働きマン』やtvk『saku saku』のエンディングテーマに起用されました。一度聞いたら虜になる可愛らしい歌声とチャットモンチーならではの独特のテンポ感に、乙女心を描いた歌詞で日本中の音楽ファンを釘付けにしました。2018年にバンドは解散しましたが、日本のロック・シーンに大きな影響を残したバンドです。
Hump Back
代表曲:拝啓、少年よ
チャットモンチーに感銘を受けたギター・ボーカル林萌々子を中心に2009年に結成されたHump Back。幾度のメンバーチェンジを行いながらも活動を続け、2018年に「拝啓、少年よ」でメジャーデビュー。林が10代の頃に残していた書き置きから完成したという本曲は、夢を追い続けるリスナーに向けて歌われるメッセージ・ソング。どんなときも諦めずにバンドを続けた彼女たちだからこそ、説得力を持って歌えた1曲。日本曲でターニング・ポイントを迎えたバンドは2021年には日本武道館でのワンマンライブも成功させ、大型ロックフェスにも多数出演するなど、今や邦ロック・シーンには欠かせない存在となっています。
CHAI
代表曲:N.E.O.
「NEOかわいい」や「コンプレックスはアートなり」をコンセプトに掲げ、双子のマナ(ボーカル/キーボード)とカナ(ボーカル/ギター)、ユウキ(ベース/コーラス)、ユナ(ドラム/コーラス)から編成された4人組バンドのCHAI。型にはまらないその楽曲群は、いい意味で“クセが強く”、中毒者続出。そんな彼女たちが一躍注目の的となったのが「N.E.O.」。ポップでダンサブルなビートに、心地よいギターサウンド、そしてハイトーンボーカル。聴けば聴くほどクセになるサウンドに乗せて、ありのままを肯定してくれるポジティブなメッセージを乗せる本曲は、まさにCHAIを象徴する1曲。今や日本を飛び出し世界から注目を集める彼女たちは、アメリカの名門レーベル「Sub Pop」に所属し、海外でのフェスにも出演するなど、ワールドワイドに活動を続けています。
yonige
代表曲:アボカド
ギター・ボーカルの牛丸ありさ、ベースのごっきんによる2人組バンドのyonige。2013年に結成したバンドは、実体験を元にした、不器用だけれど等身大の恋愛観を歌った楽曲から、女性を中心に若い世代のファンから厚く支持されています。バンドの転換期となったのは「アボカド」。恋人と別れて、心に穴があいてしまった様子をありのままに描いた本曲。誰しもが経験したことがある共感性の高い歌詞を力強いサウンドに乗せて歌ったことで、バンドの存在を日本中に知らしめるきっかけの1曲となりました。数々の大型フェスの出演や2019年の日本武道館単独公演、映画の主題歌の書き下ろしなど精力的に活動を続けており、俳優の山田孝之もファンを公言するなど多くのファンから愛されているバンドです。
クリープハイプ
代表曲:栞
「邦ロック」を語る上で欠かせない、クリープハイプ。ハイトーンボイスが特徴的なギター・ボーカルの尾崎世界観を中心に2001年に結成、2012年にアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。その独自の世界観で中高生から圧倒的な人気を博している彼らの代表曲のひとつ「栞」は、本に挟む栞と淡い恋愛模様を掛けたストーリー性豊かな歌詞が、疾走感あるメロディーに乗せて歌われるエモーショナルな1曲。ボーカルの尾崎世界観は小説家・文化人としても活躍の幅を広げるなど、世代を問わず人気を集めています。
My Hair is Bad
代表曲:真赤
2008年結成・新潟県上越市出身のバンド、My Hair is Bad (通称:マイヘア)。恋愛模様を描いたメッセージ性の強い楽曲で人気曲が多い彼らの中でも特に根強い人気を誇るのが、インディーズ時代の『一目惚れe.p.』に収録されている「真赤」。「ブラジャーのホックを…」という印象的な歌い出しから始まる本曲は、片想いの葛藤が見事に描写した1曲。力強いロックサウンドに乗せて歌われる切ないラブソングが聴き手の心を揺さぶる名曲。バンドは本曲リリースの翌年2016年にメジャーデビュー、それから着実に知名度をあげ、代々木第一体育館2DAYS公演を成功させるなど、若者を中心に絶大な人気を誇ります。等身大で赤裸々な恋心を歌うバンドとして、これからも多くの人に支持されていくことでしょう。
KOTORI
代表曲:トーキョーナイトダイブ
2014年に埼玉県越谷市で結成された4人組ロックバンド、KOTORI。次世代のロックバンドとして、若者を中心に人気急上昇中のバンドです。FUJI ROCK FESTIVAL’19のROOKIE A GO GOへの出演をきっかけに、日比谷野外大音楽堂とマイナビBLITZ赤坂のワンマンを成功させ、着実に知名度を上げている彼ら。なかでも2017年にリリースされた1stアルバム「kike」に収録の「トーキョーナイトダイブ」は、彼らの代表曲としておなじみ。ノスタルジックな夜の雰囲気を感じさせるメロディーラインと、エモーショナルに爆発するサビの展開に、ファンからも「エモい」と絶賛の嵐。彼らの醍醐味でもある熱量溢れるライブは一見の価値ありです。
ハンブレッダーズ
代表曲:銀河高速
「ネバーエンディング思春期」というキャッチコピーで活動するスリーピース・バンド、ハンブレッダーズ。大人気アニメ『けいおん!』に触発され結成された彼らの魅力は、エネルギッシュな熱いライブと、甘酸っぱい青春の日々を思い起こすような楽曲。そんなハンブレッダーズの代表曲「銀河高速」は、4人組から3人組へとバンドが体制変更したタイミングでリリースされ、ボーカルのムツムロアキラも「ハンブレッダーズとして過ごしてきた10年間の軌跡と奇跡を思い出して作った」と語るようにバンドにとっても、ファンにとっても、大切な1曲として知られています。その後、バンドは2020年2月にメジャーデビュー。今や全国ツアーもソールドアウトさせるほか、数々の大型フェスにも名を連ねるバンドとして世間にその名が知られる存在に。
Mr.ふぉるて
代表曲:口癖
最後に紹介するのは、今中高生を中心に人気急上昇中の4人組バンド、Mr.ふぉるて。2018年に結成された彼らが自主制作した「口癖」のMVは、YouTubeにアップされるや否やたちまち大ヒットし、新世代のアンセムとしてSNS上でバズっています。どこか切なさを感じるギターのコード感、そして若さゆえの歯痒さを等身大に歌うボーカルは。好きな人が失恋に暮れる姿を前に何もできないでいながらも、そんな自分を受け入れるといった前向きなメッセージが共感を呼んでいます。これからの邦ロックシーンの重要な核となるであろう彼らに要注目です。
邦ロックの人気バンド29選、いかがでしたでしょうか。とにかく盛り上がれるバンドから、背中を押してくれるメッセージソングを歌うバンドまで、その魅力はさまざま。ここで紹介した代表曲以外にも素晴らしい楽曲が多くあるので、ぜひお気に入りのバンドを見つけて、それぞれのバンドのよさを掘っていくのも楽しいことでしょう。ぜひプレイリストに入れて聴いたり、実際にライブに足を運んで体験してみたりして、邦ロックの素晴らしさに触れてみてくださいね。