奇跡の名盤『エンカのチカラ』を知っているか!

奇跡の名盤『エンカのチカラ』を知っているか!
海老沼邦明
海老沼邦明

演歌歌手は歌がうまい。うーん、知っているようであまりわかっていない事実。たしかに、演歌というジャンルに耳馴染みがないので、どうもピンとこない。いや、わかっているつもりなんですけどね。それが、ズバンと、もう、これでもかというぐらいにわかってしまうコンピシリーズがあるんです。 それが『エンカのチカラ』シリーズ。2008年にシリーズ第一弾が発表されこれまで10タイトルがリリースされているもの。八代亜紀、都はるみ、小林幸子、石川さゆり、森進一、五木ひろし…といった超がつくほどの大御所が、J-POP、歌謡曲を本気でカバーしているのです。 特筆すべきは、美空ひばり。歌姫、歌姫などと、コムスメたちが持ち上げられている昨今ですが(言いすぎですかね…)、とにかく、これぞ歌姫!世界がビリビリっと変わっていくのがわかるんです。 そう、演歌歌手が歌がうまいというのは、歌声に表情があるんです。だから、僕たちリスナーの視界が広がっていくんですね。映像が浮かぶというのとはちょっと違う、パーっと光がさすように視界が広がっていくんです。矛盾していますが、無音の世界が広がる。そして、体温のある歌詞が身体に染み込んでいくんです。だから、曲が心に広がっていくんです。そうしていろいろな映像が見えてくる。設定として映像があるわけじゃないんです。うちから出てくる映像というか。表現がとても難しいのですが、まず視界が広がるんです。ダークな曲なら、まず真っ暗になる。いい曲はそれこそ星の数あれど、そんなふうな曲は実は少ないものです。その魔法をかけることをできるのが演歌歌手の歌声なのかなと。 その『エンカのチカラ』シリーズの最新作が、11月にリリースされるとのこと。これまでは、それぞれの歌手がシングルやアルバムなどで発表したものを収録した曲が多かったが、ニューアルバムではこのために新録した楽曲も多数。都はるみが「タッチ」を歌うんですよ、八代亜紀が「残酷な天使のテーゼ」を歌うんですよ。これは聞くしかない!

海老沼邦明
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