「なぜ人は猫を愛するのか」--猫の日に便乗して猫と人間の関係性について考えてみた

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濱安紹子
ご存知の方も多いと思いますが、2月22日は猫の日。「にゃん、にゃん、にゃん」という猫の鳴き声と「2、2、2」の語呂がぴったり、という単純明快な理由で我が国では2月22日に認定されていますが、世界各国ではそれぞれ違う日に決められているそうです。ちなみに8月8日は「世界ネコの日(World Cat Day)」という世界共通の記念日で、各所で猫祭りイベントが行われるんだとか。年に2回も猫のための日があるなんて、世界中にどんだけ猫好きが多いんだって話ですよね。
……そうです、実はかく言う私もそのうちの1人。物心つく頃には実家で猫を飼っていたし、携帯の待受画面はもちろん猫、KKBOXに愛猫を写真付きで登場させたこともあります。そんな私が猫の日に猫のことを語らずにいられるはずがありません。 ※完全に猫好き目線の猫記事なので苦手な方は悪しからず。
ブームじゃ語れない、猫と人間の深い歴史と関係性
「空前の猫ブーム」などと呼ばれて久しいですが、ペットフード協会が発表した「平成27年 全国犬猫飼育実態調査」によると、長らく圧倒的な人気を誇っていた犬の推定飼育頭数を、いよいよ猫が抜こうとしている様子。そして今年はついに猫が追い越すのでは、と囁かれています。国内外で猫カフェが急増、猫付きマンション(!)なるものまで登場したり、猫関連の書籍が増えたりと、ブームを後押しする現象があちこちで見られる中、「我々の猫愛をブームで括られたくない」と異論を唱える筋金入りの猫フリークな方々もいるでしょうけど、このブームがきちんと定着することで、問題視されているペットの殺処分や飼育放棄の減少に繋がればと、個人的には思っております。 しかし、歴史を紐解けば猫と人間の繋がりは思った以上に深いもの。迫害されたり、崇められたり……、実は長い歴史の中で人間に翻弄されてきた猫たち。今回はそんな彼らの歴史をかいつまんでご紹介します。移り変わる猫と私たちの関係性に着目しつつ、しみじみと猫愛を深めて頂ければ幸いです。
猫のルーツ
諸説ありますが、ライオンやトラを含むネコ科の動物が登場したのは約4000万年前、そして現在世界中に存在するイエネコの祖先が誕生したのは、約13万1000年前のことだそう。元々ネズミから穀物などを守るために飼育されて彼らはその後、王侯貴族のペットとして珍重されるようになり、ついには神の象徴として崇められる神聖な存在へと変化していったのです。日本にはシルクロードを伝ってやってきたと言われていますが、やはり始めはネズミ退治という実用的な目的で飼育されていたようです。
暗黒時代の到来
そうして人間と共存してきた彼らは、中世のヨーロッパで“暗黒の時代”を迎えることになります。悪魔や魔女が存在すると信じられていた時代、沢山の罪のない女性が何らかの理由をつけて魔女扱いされ処刑されるという「魔女狩り」が行われた最中、「猫は魔女の手先」と吹聴された猫たちは同じく迫害・虐殺されていったのです。その結果、ヨーロッパの猫は激減し、ネズミが媒介する黒死病(ペスト菌による伝染病)が蔓延。ようやく人間たちは、ネズミ退治してくれていた猫の有り難みを思い知ることに。彼らはネズミから穀物を、そしてペスト菌から人間を守ってくれる“必需品”だったことに気がついたのです。
ペットの座に返り咲き、偉人に愛された猫たち
17世紀末にようやく魔女狩りは衰退し、猫たちも晴れて無罪放免。再びペットとしての市民権を得ることとなりました。この頃からニュートン、リンカーン、ヘミングウェイ、エドガー・アラン・ポー、ジェローム・ラランドなど、各地で猫好きを公言する偉人たちが世界中で増え、人々から愛される存在へと変わっていったのです。
国内外の猫好き有名人
猫たちを愛して病まない人たちは今も昔も数えきれない位存在します。枚挙に暇がないのですが、たとえば近代のアーティストではフレディ・マーキュリー、マイケル・ジャクソン、カート・コバーンなど、もっと最近ではテイラー・スウィフト、ケイティ・ペリーも猫好きとして知られているし、日本にだって古くは一条天皇や歌川国芳、そして夏目漱石や三島由紀夫といった偉人の猫好きエピソードが残っています。また、最近のアーティストの中には斉藤和義、坂本美雨、中川翔子など、作品に猫を登場させたり、イベントを催したり、はたまたグッズを作って販売してみたり、愛猫家としての一面が注目されると同時に活躍の場を広げている人たちもいます。
(instagram: @taylorswift)
猫カフェ筆頭に猫産業が盛り上がり中の現在
近年の猫ブームに猫カフェの登場が加担しているのは間違いないでしょう。右肩上がりで売上と店舗数を延ばしている猫カフェ事業ですが、発祥の地は意外にも台湾なのだとか。確かに台湾は猫好きが多いことで有名だし、KKBOXの台湾本社に猫好きが多いという事実もあって、なんだか勝手にシンパシーを感じてしまいます。ちょっと余談ですが、最近では日本の猫カフェからオーディションで選りすぐったアイドル猫ユニットを結成、歌まで歌わせてしまった音楽作品も存在しているというから驚き。鳴き声をサンプリング&エディットした不思議な世界観のキャットソングはKKBOXでも配信中されているので、プレイリストをチェックしてみてください。
この際だからKKBOXの猫好きスタッフたちも紹介
KKBOX台湾と日本のスタッフの中にも猫好きはたくさんいます。猫の日に便乗して愛猫の写真を集ったところ、予想以上の反応が! 写真だけではなく「あなたにとって猫とは?」という何とも哲学的な(?)質問も一緒に投げかけてみたので、その個性豊かな回答とともに彼ら自慢の猫写真をお楽しみください。あ、もちろん筆者の猫(たま子、エキゾチックショートヘア・メス)も登場します。猫を飼っている人は、やたらと写真を見せたがる、少しでも猫の話題になると「うちのコすごい」話をせずにはいられなくなる、というのは全世界共通の“猫好きあるある”ですよね。
なぜ人間は猫を愛するのか
思うに、どうやら猫は人間を癒してくれるだけの存在ではないようです。長い歴史を振り返れば、周りの環境に流されず、たくましく人間と共存し、媚びることなくその地位を勝ち取ってきた猫はまさしく自由、そしてしなやかさの象徴。そんな彼らに我々は、無意識のうちに憧れと畏敬の念を抱いているのかもしれません。ともに生活し触れ合うことで心が満たされると同時に、きっと人間的な成長すら遂げているのでしょう。“人生の師”と言っては少しばかり過言かもしれませんが、そう思えば、どんなに気まぐれな性格だって、冷たくされたって、お気に入りの品をズタズタにされたって、愛情と感謝しか感じないはず! 少しでも長い時間彼らと一緒にいたい、そして彼らからも愛されたいと願うばかりです。 それでは最後に医師であり、哲学者・神学者であり、音楽家でもあるアルベルト・シュバイツァーの素晴らしい言葉で締めたいと思います。 「惨めさから抜け出す慰めは2つある。音楽と猫だ」 ―アルベルト・シュバイツァー(1875年〜1965年) ビバ猫! ビバ音楽!!
濱安紹子

音楽系メディア、WEB系広告代理店での勤務を経てカナダ・トロントへ。 現地の日系出版社にてライター業に携わった末、 帰国後よりフリーランスライターとしてのキャリアをスタート。 その傍らで自身の音楽活動も行っている。 猫と布団が大好き。

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