アデルが主要3部門独占、第59回グラミー授賞式

アデルが主要3部門独占、第59回グラミー授賞式
KKBOX編集室
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アデルが2012年に続く主要3部門受賞の結果となった今回のグラミー賞。一方で、主要部門にこそノミネートされなかったものの、デヴィッド・ボウイが生前経験のなかった5部門を受賞するなどの動きもあった。また、ケイティ・ペリーをはじめトランプ政権の移民政策に対する不満をパフォーマンスで口にしたアーティストが少なくなかったことや、ジョージ・マイケル、プリンスへの追悼、ビージーズの功績をたたえたパフォーマンスが行なわれたなど、アメリカの音楽界らしい光景も多く見られた。
最優秀新人賞(Best New Artist)
まず最優秀新人賞の受賞したのはチャンス・ザ・ラッパー。近年、ヒップホップのローカル、インディのシーンが活気づいているが、シカゴ出身の彼もその代表格のひとりで、アルバム契約のないまま数年前から話題を呼び、カニエ・ウエストのアルバムの客演などをしているうちに出されたアルバム『カラーリング・ブック』が未契約アーティストとして異例の全米トップ10を記録。エレクトロもゴスペルも大衆ポップも飲み込んだスケールの大きなヒップホップは2016年の音楽シーンを牽引した。
出典元:(YouTube:Chance The Rapper)
年間最優秀楽曲(Song of the Year)
最優秀ソングを受賞したのはアデル。2009年のグラミー賞で最優秀新人賞を受賞。その際に「プラダを着た悪魔」で知られるヴォーグ誌鬼編集長アナ・ウィントゥアーが衣装を手がけ、太めの体型だったアデルを鮮やかに変身させて話題となった。彼女は社会現象的に世界的大ヒットとなった2011年作のセカンド・アルバム『21』で2012年のグラミー賞で主要3部門を含む6部門で受賞。それを受けて2015年秋に満を持して発表されたサード『25』も先行シングルとなった、彼女お得意の大悲恋バラードで発表のアナウンスと同時に話題となり世界中でナンバーワンとなり、この曲で今回の最優秀楽曲賞を受賞した。 Adele「Hello」
出典元:(YouTube:AdeleVEVO)
年間最優秀レコード(Record of the Year)
アデルはこの曲で最優秀レコードも受賞した。当日の授賞式ではこの曲のパフォーマンスで幕を開けた。彼女はこの日、中盤で、昨年12月24日に他界した母国イギリスの大先輩ジョージ・マイケルの追悼パフォーマンスとして、彼の1996年のヒット「ファスト・ラヴ」を歌った。エモーショナルな瞬間だけに歌い出しがうまくいかず、イントロからやり直す一幕も見られた。
年間最優秀アルバム(Album of the Year)
最優秀アルバムは、自己最高傑作との呼び声高いアルバム『レモネード』で話題だったビヨンセとの一騎打ちが戦前から謳われた。これまでR&B部門ならデビューの頃から独占してきたビヨンセも、グラミー最優秀賞のこの賞だけはなかなか手が届かず、2015年の前作『ビヨンセ』で受賞を逃したときはカニエ・ウェストが抗議を示してステージにあがろうとしたほどだ。今回、R&Bの枠を超え、ロックやカントリーまでに挑戦し、黒人としての社会的メッセージも込めたこの意欲作は早くからアワードの目玉と目され、昨年秋のMTVのビデオ・ミュージック・アワードをはじめアワードでは強くパフォーマンスでアピール。この日も聖母マリアに扮した10分近くの、『レモネード』からの「Love Drought」〜「Sandcastles」の熱唱はこの日のハイライトとなった。この日は先のチャンス・ザ・ラッパーをはじめ、プリンスの追悼トリビュート,伝説のヒップホップ・グループ、トライブ・コールド・クエストの政治色強いパフォーマンスもあり、黒人に配慮された内容かとも思われたが、結果はアデルが「25」で2度連続で主要3部門を制した。 ただ、アデルも自分がアルバムで勝ったことに驚き、スピーチの際、ビヨンセを讃えるスピーチを感情のほとばしるままに行ない、エモーショナルな幕切れとなった。
KKBOX編集室
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