アイドルの耳元〜AKB48(加藤玲奈/武藤十夢)

アイドルの耳元〜AKB48(加藤玲奈/武藤十夢)
山本雅美
山本雅美

アイドルが愛用しているイヤホンやヘッドホンを覗かせてらう連載企画「アイドルたちの耳元」。アイドルの皆さんに音楽ライフの大切なツールを紹介するとともに、取材時にプレイリストを拝見し、その日に聴いていたソングリストを教えてもらいます。2020年最初の「アイドルの耳元」は、AKB48の加藤玲奈さんと武藤十夢さんをお招きし、お二人にお話しをお聞きします。昨年12月にこれまで未配信だったAKB48の作品がストリーミングサービスで解禁され、2,000タイトル以上の楽曲が楽しめるようになりました。そこで、お二人にお気に入りのAKB48の楽曲を選曲してもらい、プレイリストで紹介してもらいます!


AKB48の耳元

—加藤さんはAirPodsですね。

加藤 :いままでアームネック・タイプのものを使っていたんですが、妹に取られてしまったんです。私のお下がりがなんでも欲しいらしくて(笑)。そのあと自分でAirPodsを買ったんですけど、無くしちゃったんです。最近はメンバーから同じものを貰ったので無くさないように使っています。AirPodsは耳元でワンタップすれば止まるし、Siriでも操作できるのですごく便利ですね。

武藤:え、そうなの?私もAirPods使っているけど初めて知った!!

加藤:えっ、そうだよ。使えてないじゃん(笑)。


—AirPodsはどんな点が気に入っていますか?

加藤:首元に邪魔がないところです!

—武藤さんはイヤホンを3つも持ってきてくれました。そして最近ではあまり見なくなったウォークマンも。

武藤:ウォークマンは昔から使っていて気に入っているので使い続けていますね。イヤホンは特に使い分けとかはしていなくて、その時にあったものを使っている感じです。充電が切れちゃう時があるのと、無くしちゃた時用の予備も兼ねてだいたいバッグには3つ入っていますね。BOSEはふるさと納税で頂いたものです。


—え、ふるさと納税やっているんですか!? そうやって税金が音楽に還元されるのって良いですね。この3つの中で特にお気に入りってありますか?

武藤:それぞれ良い点があるんですけど、BOSEが一番充電が持つのと、耳にフィットするので好きです。

—加藤さんはいろんなタイプを使いたいとは思わないんですか?

加藤:浮気はしないです。一途です(笑)。

武藤:私はもともとヘッドホンが好きでいろいろ集めていたんです。いまワイヤレスになってしまったのでお部屋に飾っています。

—AKB48のほかのメンバーの皆さんはどんなものを使っているんでしょう?

加藤:AirPodsを使っているメンバーが多いイメージですね。新しいAirPods PROを使っているメンバーもいて羨望の眼差しです。

武藤:AirPods率が高いので、楽屋とかに置いてあると間違えて持って帰ってしまう率も高いんです。一度、半年間行方不明になってました(笑)。

加藤:あるある。でも接続し直すと自分のものになっちゃいますけどね。


今日はどんな音楽を聴いていましたか?

—今日はここに来るまで、どんな音楽を聴いていたのですか?

武藤 :ディズニー系をよく聴きます。ディズニーランド30周年の時に発売されたBOXセットを買ったので、それをウォークマンに入れて延々と聴いていたりします。あとは和楽器バンドさんが大好きで「千本桜」とか「地球最後の告白を」とかよく聴きます。和楽器バンドさんがきっかけで、ボーカロイド系の曲をたくさん聴くようになりました。テンポが良くて気持ちがアガる曲が好きなんです。和楽器バンドさんが歌っている曲も、違うボーカロイドの曲だったりして調べていくと楽しいです。


加藤: あいみょんさんです。「貴方解剖純愛歌~死ね~」とかインディーズ時代から好きだったんです。動画サイトでランダム再生していて偶然知ったのですが、ハスキーな歌声がとっても好きです。実はOfficilal髭男dismさんを最近まで知らなかったんですが、みんながカラオケで歌っていて「いいなー」と思って聴くようになりました。


—あいみょんとか和楽器バンドなどお二人が好きなアーティストから、AKB48の活動の中でご自身の歌の表現とかに取り入れてみたいとか思ったりしますか?

加藤:私は勉強しよう的な聴き方ではなくて、リスナーとして客観的に聴いて楽しんでいますね。

武藤:私は動画サイトのライヴ映像を見て「カッコいいな。可愛いな。こういう風に歌えたらいいな。」と思うことはあります。それをAKB48としても吸収していきたいなと思います。

—お二人ともお忙しいとは思いますが、ライヴなどに行ったりする機会はあるのでしょうか。

武藤:ないですねー。以前Silent Sirenさんのライヴに行こうと思っていたんですが、仕事と重なり行けなかったんです。和楽器バンドさんのライヴも観てみたいです。

加藤:私は韓国のアイドルたちのパフォーマンスを勉強したくてIZ*ONEさんやTWICEさんのライヴにいきました。日常で音楽を聴くときはリスナー感覚なのですが、ライヴでは良い部分を吸収したいなと思っています。

—ところでお二人は、ふだんの生活の中でAKB48の曲を聴くことってありますか?

加藤:私はないです(笑)。仕事でよく聴いているので仕事モードになっちゃうんです。聴きたくないとかではなくて、プライベートで聴くことは無いですね。

武藤:私は聴いています。グループの活動を離れて単独で舞台の稽古をしたりしていると、だいたいどこかで自信を無くす時があるんです。そんな時は自分が選曲した「AKB48のキラキラプレイリスト」を聴いて「よし!出来る!」と言い聞かせながら稽古場に行ったりしています。

—お二人のAKB48の曲に対する向き合い方が違って面白いですね。


聴きどころ満載な二人が選曲したAKB48プレイリスト

—実はAKB48のヒット曲以外ってあまり知らなかったんです。今回インタビューするに当たって、お二人が選曲したプレイリストを聴いてみると、シングル曲じゃない作品にも素晴らしい曲がたくさんあるのだと改めて認識しました。テレビでしか知らなかったAKB48の音楽の懐の広さを知ることができる大変良い機会になりました。
今回お二人に選曲テーマを決めてもらいAKB48のプレイリストを作ってもらいました。加藤さんは『AKB48の前向きに頑張ろうと思えるプレイリスト』で、武藤さんが『AKB48の落ち込んだ時に聴いて欲しいプレイリスト』と、近いテーマになりましたね。


加藤:そうなんです。テーマは近いんですが「永遠より続くように」以外は全部違う曲でした!

武藤:逆に二人とも「永遠より続くように」を選んでいたのでびっくりしました。

—加藤さんのプレイリストは本当に前向きなる曲ばかりですね。AKB48で頑張っているメンバーの皆さん自身を鼓舞するような曲が、いろんな状況で頑張っているすべての人を応援している気がします。

加藤 : 歌詞にメッセージ性があるものを選曲しました。「永遠より続くように」は、やっぱり歌詞がすんなり入ってくるのと、曲の世界観がとても理解しやすかったです。あと「Overtake」は大好きです。選抜メンバーに選ばれなかったけど「そんなことを気にしないで もっと出来ることあるでしょ」という歌詞にすごく勇気を貰えます。

—「僕のエール」にも共通するメッセージがあるし、「初日」は初めての公演を迎え高まる気持ちがよく伝わって来ます。そして「RIVER」は名曲ですよね。

加藤:AKB48の中でも「RIVER」はメッセージ性の強い曲の上位だと思います。ミュージックビデオもすごくカッコいいんです。



—「永遠に続くように」は当時、加藤さんも歌っていたんですよね?

加藤:歌っていました。もう8年前なんですね、中学生の頃です。怖い(笑)。時の流れを感じますねー。当時は歌詞を意識することができなくて、覚えることが精一杯でした。いまは歌う時には歌詞をちゃんと意識してその意味を考えるようになり
ました。歳ですね(笑)。

—加藤さんにとって大事な曲のひとつなんですね。

加藤:大先輩がたくさんいらっしゃったので、やっぱり当時を思い出します。残っているメンバーがほとんどいないですから。

—武藤さんはプレイリストの最後が「永遠より続くように」ですね。やはりプライオリティが高い曲なんですか?

武藤:そうなんです。自分の気持ちを奮い立たせてくれる曲の中でも、最後はよりシンプルに歌詞が入ってきて、未来に向かって素直に頑張ろうと思える曲がいいなと思い、「永遠より続くように」を選曲しました。

—武藤さんは曲順をかなり意識してプレイリストを作ったんですよね。その1曲目が「Green Flash」。

武藤:落ち込んだ時によく聴く曲で、みんながよく知っている曲を選びました。いきなり強めの曲から始まるとみんな疲れちゃうかなって思って。あと私自身が落ち込んだ時に「頑張って! 元気出して!」というような曲を聴き過ぎると疲れちゃうんです。「Green Flash」は、あまり力が入りすぎてない感じが良いかなと思いました。



—武藤さんのプレイリストでAKB48のサウンド面の面白さも発見できました。「てもでもの涙」は昭和歌謡的なエッセンスも感じたし、「君について」はとてもエモさのある曲です。一方で「I’m crying.」や「軽蔑していた愛情」など、ヒリヒリするリアリティさを持つ曲も選曲されています。

武藤:最初はそのあたりのダークな曲を前半に選曲していたんですが、聴いていたら気持ちが暗くなって来ちゃって(笑)。あ、それはまずいなと思って選んだのが。私の「キラキラプレイリスト」にも入っている「私たちのReason」です。

—ちなみに「キラキラプレイリスト」には、ほかにどんな曲があるんですか?

武藤:「永遠より続くように」「抑えきれない衝動」「始まりの雪」とNGT48の「世界はどこまで青空なのか?」です。今回は16曲も選曲したのでほかの曲もたくさん選んでみました。

—今回プレイリストの選曲に時間かかりました?

武藤:かかりました! 選曲していたら楽しくなっちゃって「あの曲もいいな この曲も入れたいな」ってなっちゃって止まらなくなってしまい、夜中の4時とかになっていました(笑)。プレイリストでは明るいのにダーク、でも最終的にはポジティブになれる「Birth」がポイントで、そこからの「向日葵」の流れがいいなって思っています。

—渾身のプレイリストですね。「10クローネとパン」も宮澤賢治的な世界を持つ不思議な曲です。

武藤:AKB48の中でも絵本を読んでいる感じのファンタジーな曲は好きです。「願いごとの持ち腐れ」と選曲を迷いました。

—お二人のプレイリストでAKB48のいろんなストーリーを感じます。曲によって当時のオリジナルメンバーがいない曲もあったりするのですか?


加藤:あります、あります。「君について」や「向日葵」とか。

武藤:「草原の奇跡」も当時のメンバーは誰もいないですね。

—そういう歴史を聞くと、AKB48が15周年を迎える頃にこれまでの曲を新録で聴いてみたいですね。

加藤:やりたいです!

武藤:いろんな曲があるので、自分たちそれぞれが想い入れを持った曲があるのはもちろんですが、違う世代の先輩や後輩もまた違う曲に想い入れがあると思います。良い曲がたくさんあるので、多くの方にAKB48の曲を聴いて頂きたいです。

—これからのAKB48で挑戦してみたいことがあれば教えてください。

加藤:最近、可愛い系の曲が多かったので もっとメッセージを強く伝えていけるような曲をやってみたいですね。

武藤:私はカッコいい曲をやりたいです。

加藤:AKB48の良さって、いい意味で「これがAKB48」みたいな色に染まってないところかなと思うんです。だから乃木坂46さんのような清楚な感じや、欅坂46さんのような振り切った感じのものも出し続けていければいいなって思います。

—お話しを聞くとますますAKB48に興味が湧いてきました。これから30年、50年続いていくようなグループなりそうですね。

加藤/武藤:なれるように頑張ります!



山本雅美
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