今聴いておきたい台湾バンド×4が来日競演!ワンダフルな一夜をレポート

今聴いておきたい台湾バンド×4が来日競演!ワンダフルな一夜をレポート

8月15日、恵比寿リキッドルームで開催されたイベント【TAIWANDERFUL /台ワンダフル】。日本でも高い知名度&人気を誇るCHTHONIC(ソニック)を筆頭に、計4組のアーティストが出演。「台湾バンドが一挙に観られる貴重な機会」ということで、行ってまいりました!魯肉飯や担仔麺、マンゴーかき氷といった台湾ゴハン&スイーツを楽しめたりと、ちょっとしたフェス仕様で大盛況だった模様をレポート。 反骨精神と親しみやすさが同居するLTKコミューン トップのLTKコミューンは、1989年結成のベテラン5人組。この日披露した「農村出事情」、「問題社会」といった曲のタイトルからも察しがつくように、社会への問題意識を歌詞で表明している台湾アングラシーンの大物。しかし「近所の兄ちゃん」さながらの出で立ちで親近感は大。「昨晩歌舞伎町に行ったら、マッサージの勧誘受けてびっくりしたよー」といったユーモラスなMCで笑いを誘ったりして、フロアを和ませる。根っこに揺るぎない反骨精神を感じさせる部分や、熱い気持ちを喚起するパンクベースの曲調&実直なプレイスタイルに、サンボマスターのパフォーマンスと通じるヴァイヴスを感じたりも。 コアな音楽ファン要注目・音にこだわった寡黙なバンド 2番手、APHASIA(阿飛西雅/アフェイジア)は、「音」に対してこだわりを持つ日本の音楽ファンにとっては、この日のラインナップで最も親しみやすいバンドかもしれない。ヴォーカルレスのインストゥルメンタル・バンド。モグワイやtoe、te’といった、心の襞を轟音で刺激してくるポストロックサウンドが好きなら、間違いなくハートを鷲掴みにされるはず。ツインギター+ベース+ドラマー計4名のメンバーが繰り出す、身体の芯まで震わせるような音の洪水は、フロアの空気を一瞬で塗り替えた。通訳さんを通しての挨拶&「また日本に来たい」という嬉しい発言はありつつも、基本ミニマムなMC、黙々と演奏に集中し続けるクールな佇まい。この手のバンドの王道であり、そこがまた「らしくて」イイ。束の間の音圧トリップ、最高でした。 エンターテイナーなイケメン眼鏡3人 フロアの人口密集度がいっそう上昇したところで、華麗に登場したのが、宇宙人(Cosmos Peole)の3人。全曲思わず手拍子したくなるキャッチーさ&安定感のある演奏力。そしてギター+ヴォーカル+ベースの3人が揃いも揃ってキュートな眼鏡イケメン、ということでフロアからの声援も絶えないだろう、というのは予想の範囲内ではあった。しかし予想以上だったのが、そのエンターテイナーぶり。曲ごとに「私たちは台湾の宇宙人です」といった愛嬌たっぷりの日本語MCがあり、3曲目「花花」では日本語で「お土産です」と言いながら、ステッカーをステージから大量にフロアにバラ撒きプレゼントというサプライズも。ピアノを弾き語りながらの、大滝詠一「幸せの結末」のカバーや、5曲目「踢踢他」での、小玉(Vo/Key)の伸びやかな歌声も心地良かった。 この日限定でパフォーマンスを披露、Chthonic そしてトリのChthonic。アジア圏を代表する5人組メタルバンドである彼らが、この晩限りのアコースティックバンド編成、その名も「CHTHONICOUSTIC(ソニコースティック)」としてパフォーマンスを展開。爆音ギター&デスヴォイスを封印し、ドラム+アコギ+二胡(ゲスト奏者)によって、「Rage of my sword」、「Legay of the seediq」といった名曲群が新たな装いで披露されたが、どの曲もメロディの美しさが際立つ。最初は固唾を呑んで見守っていたオーディエンスも、その優美な音世界に身体を思い思いに揺らしながら浸っていた。ラスト「Supreme Pain for the Tyrant」、「Defenders of Bu-Tik Place」には特別ゲストのマーティ・フリードマンがギターで参加。貴重な共演に酔いしれながらのエンディングで、大いに盛り上がった。ぜひ、第2回目の開催を!

森田美喜子
森田美喜子

関連アルバム

最新の記事

    share to facebook share to facebook share to facebook share

    Ctrl + C でコピー