いまさら聞けないHANAのトリセツ5|共感が時代を動かす──“等身大の7人” が提示する新たな価値観
2025年、日本の音楽シーンに突如現れた7人組ガールズグループ「HANA」が、いま音楽業界のみならず日本のエンタメ業界全体を席巻している。デビュー曲「ROSE」は配信開始からわずか3か月でストリーミング1億再生を突破し、続く「Blue Jeans」はオリコン週間ストリーミングランキングで9週連続1位を記録。瞬く間に時代の寵児となり、トップアーティストの仲間入りを果たした。
HANAが他のアーティストと大きく異なるのは、彼女たちが放つ強烈なメッセージ性と音楽的完成度の高さ、パフォーマンス力、そしてプロデューサー・ちゃんみなが仕掛けた新しいポップアイコン像の提示にある。苦悩や葛藤を乗り越えた強いガールズグループとして、現代に必要な「等身大の強さ」を体現している。その美しさには、世代や性別を問わず幅広い支持が集まる。本記事では、そんなHANAの魅力を5つの視点から掘り下げていく。
1. HANAとは――努力と才能が結集した等身大の7人組
HANAは、BMSG代表のSKY-HIが総合プロデュースを務め、ラッパー/シンガー・ちゃんみながメインプロデューサーとして関わったオーディションプロジェクト「No No Girls」から誕生した7人組ガールズグループである。
BMSG(ビーエムエスジー)は、SKY-HIが設立した音楽レーベル/マネジメント会社で、「Be MySelf Group(=自分らしくあれ)」を理念に掲げ、BE:FIRSTなどを手がけてきた。その女性版プロジェクトとして始動したのが「No No Girls」である。同オーディションには、世界から約7,000件を超える応募が寄せられた。審査では歌唱やダンスのスキルに加え、 “自分をどう表現できるか” という内面の力も重視された。
厳しい審査を経て選ばれたのは、CHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7人。年齢も出身も異なる彼女たちは、歌やダンスの得意分野だけでなく、まっすぐな意思と表現への情熱を評価されて “HANA” としてグループを結成した。特筆すべきは、やはりちゃんみなが自身の目で見出した7人の “等身大の強さ” だろう。トゲや脆さを孕みながらも必死に咲こうとする、そんな姿こそがHANAという存在を象徴している。
デビュー後、HANAはちゃんみなが統括する制作チームのもとで多彩なクリエイター陣と楽曲を生み出していく。ヒップホップやR&B、UKポップなどの要素を取り入れ、J-POPの枠を超えた世界基準の音像を確立した。J-POPのキャッチーさ・親しみやすさに海外的なサウンドデザインが共存するこのスタイルこそ、HANAの音楽的アイデンティティである。
その名のとおり、グループ「HANA」には「頑張って咲いた花、トゲがあっても美しくて華やかに咲いていた花、水をやってあげないと死んでしまう繊細なそれでも頑張って生きようとする花。」という三つの意味が込められている。強さと儚さが同居するそのコンセプトは、観る者・聴く者の心に深く響いた。リリースされた楽曲やミュージックビデオはSNSを通じて瞬く間に拡散され、ファンのみならず大衆の共感を呼んでいった。
HANAの誕生、そして度重なるバイラルヒットによって巻き起こされる社会現象は偶然ではなく、時代が彼女たちを求めた必然であった。彼女たちは “現代のリアルな生き方を投影した等身大なアーティスト集団” である。
2. バズの連鎖――“連続的なヒット” が社会現象へ
HANAの存在を一気に世に知らしめたのは、プレデビュー曲「Drop」である。〈No No Girls〉の最終審査で披露され、のちに正式配信されたこの楽曲は、公開直後から再生数を急伸させ、公開から半日で100万回、10日で500万回を突破した。その後、デビュー曲「ROSE」を2025年4月にリリースすると、オリコンおよびBillboard JAPANの主要チャートで初登場1位を獲得。配信開始からわずか3か月でストリーミング1億回を突破した。
続く「Blue Jeans」は、女性グループとして初めてオリコン週間ストリーミングランキングで9週連続1位を記録し、社会現象的なムーブメントを巻き起こした。こうした連続ヒットの背景には、楽曲の完成度の高さ、映像演出のクオリティの高さ、そしてファンが共感しやすいストーリーの3点がある。HANAの音楽は、単なる “かわいさ” “かっこよさ” ではなく、「生きづらさの中でもたくましく咲こうとする」強さが共感を集め、共感が拡散を呼ぶ構造を持っている。
3. 歌・ダンス・世界観――三位一体のパフォーマンス力
HANAの魅力を語るうえで欠かせないのが、歌とダンス、そして楽曲がもつ世界観を高い次元で結びつけている点である。彼女たちは曲ごとに全く異なる感情の色をまといながらも、その核にある “自分らしく生きる” というメッセージを一貫して伝えている。
たとえばデビュー曲「ROSE」では、泥の中から花が咲くように、闇から光へと向かう構成が印象的だ。激しいビートと抑制された動きの対比が、強さと儚さの両方を際立たせている。ステージではフォーメーションの変化に合わせて照明が切り替わり、音楽と映像演出が完全に同期する。
一方で「Blue Jeans」では、重厚なR&Bサウンドと滑らかなダンスラインが融合し、青春と自由を描き出している。MVでは街を駆け抜けるシーンや素顔の笑顔が散りばめられ、ライブでは観客のコーラスが重なり、空間そのものを巻き込んで一つの楽曲が出来上がる。
さらに「BAD LOVE」では、赤と黒を基調とした演出の中で、痛みや嫉妬、愛の不安定さを表現。挑発的なトラックと感情を剥き出しにしたパフォーマンスが融合し、HANAが持つ “可憐さと毒” のバランスを見事に描いている。
このように、HANAの楽曲はどれも「歌・ダンス・世界観」が分離せず、三位一体となって存在している。この表現力の幅こそが、他のグループとは一線を画す最大の魅力である。
4. メンバーそれぞれのキャラクターと多様性
HANAの7人は、技術と感性、そして物語を併せ持つ存在である。彼女たちはそれぞれ異なる音楽的背景と表現の質を持ちながら、ひとつの舞台で調和している。
CHIKAは、歌・ダンス・ラップのすべてにおいて圧倒的な実力を誇るメンバーである。5歳の頃から磨いてきたスキルは確かなものだが、当初は自己評価の低さに苦しむ一面もあった。オーディションの中盤でちゃんみなに「いい加減、自信がない感じはそこまでだよ」と諭されて以降、殻を破るように表現力を開花させた。今では芯の強い歌唱で楽曲全体を引き締めている。
NAOKOは、10年以上のダンス経験と高い歌唱力を持ち、「実力の暴力」と評されるほどのパフォーマンスを見せる。控えめな性格ながらステージでは一変し、爆発的なエネルギーで観客を圧倒する存在だ。オーディション最終審査でちゃんみなから「文句なし」と評価された通り、技術とリーダーシップを兼ね備えたHANAの屋台骨といえる。
JISOOは、澄んだ歌声と独自のグルーヴで聴く者を魅了する。オーディションでは、その歌唱力をちゃんみなとSKY-HIの両者に絶賛されるほどだった。完璧主義的なストイックさから自分を追い詰めることもあったが、韓国人の彼女をちゃんみなが母語で励ましたことで心の緊張が解け、歌うことの喜びを再び取り戻した。以降の彼女のパフォーマンスは、柔らかさと力強さを併せ持つ “進化” を遂げた。
YURIは、ステージに立つだけで空気を変えるカリスマ性を備える。歌は未経験だったが、ボーカルや表情の表現を地道に磨き、回を重ねるごとに成長を遂げた。ちゃんみなからも「カリスマ性がある」と評価され、パフォーマンス時の爆発力とオーラは、HANA全体のダイナミクスを生み出す要素となっている。
MOMOKAは、低音のハスキーボイスと確かなラップスキルが魅力である。かつて「自分の声はアイドルの理想像に合わない」と悩んでいたが、その個性こそがHANAにとって唯一無二の武器となった。最終審査で披露したちゃんみなの「PAIN IS BEAUTY」では、墨汁を浴びながら感情を爆発させる演出が大きな話題を呼び、表現者としての覚悟を示した。
KOHARUは、15年以上のダンス経験を持つ確かな実力者である。クリエイティブ審査で考案した「カマキリダンス」はSNSを中心に注目を集め、独自のセンスと発想力を証明した。ステージではムードメーカーとしてチームを明るく照らし、その明快なリズム感とポジティブなエネルギーで観客を引き込む。
MAHINAは、高い表現力と柔らかな感性、そして芯の強さで見る者を魅了するグループ最年少。3次審査で一度脱落するも、ちゃんみなにラップの才能を見出され、再挑戦のチャンスを掴んだ異例の経歴を持っている。未経験から挑んだラップで見事な進化を遂げ、ステージでは穏やかな性格からは想像できない迫力を見せる。そのギャップと成長力が、HANAの未来を象徴している。
7人の個性は、未完成がゆえの美しさを持つ。互いの弱さを補い合い、音楽の中でそれぞれの色を咲かせる――。誰が欠けても成り立たないバランスこそがHANAというグループの最大の魅力であり、7人が “違う花の色” を持ちながら、一つの花束として調和しているのだ。
5. 親しみやすさと “ファンとともに咲く” 世界観
HANAが他のガールズグループと一線を画すのは、ファンとの距離感の近さである。公式ファンネーム「HONEYs(ハニーズ)」は花に寄り添う蜂を意味し、ファンとグループが互いに支え合う関係を象徴している。SNSやYouTubeではメイキングや練習映像を積極的に公開しており、ファンはメンバーの成長をリアルタイムで共有できる。“人間らしい魅力” に溢れた等身大の彼女たちを目の当たりにすることで、ファンと近い存在と感じられるのもファンを惹きつけてやまない要因のひとつだ。楽曲もまた、「トゲを持っていても咲ける」「自分を肯定して生きる」というテーマで統一されており、聴く側に “自分ごと” として響いている。HANAは “応援されるアーティスト” ではなく、聴く者と “ともに咲く存在” なのである。
HANAはデビューから1年足らずで日本の音楽シーンを代表する存在となったが、その歩みはまだ序章にすぎない。その圧倒的で眩い輝きと等身大な熱い想い、そして溢れる個性とともにこれからの日本の音楽シーン・エンタメを牽引していく。
▶ リリース情報2025.12.05
Digital Single「NON STOP」
▶ ライブ情報
2026年3月より、全17都市25公演をまわる初の全国ホールツアーを予定
https://hana.b-rave.tokyo/live/250820-2/
▶ HANA公式サイト・各種SNS
公式サイト:https://hana.b-rave.tokyo/
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