古川本舗
遠い 遠い 笑えない話。
いつか 僕が いなくなったなら。
深い 深い 森に落ちた
君は 1人で いくんだぜ。
繋いだ 手には 柔らかな体温。
握った 指が ゆるり解けたら。
枯れた 音色の 鐘がなる。
君は 1人で いくんだぜ。
そのまま 2人
あるいて 1人
嘘をつく 声も もう絶え絶えに。
俯き 2人
影は 1つ
僕も 1人で いくんだぜ。
君は 淡い 恋に落ちた
高い 高い 崖に咲く花
届かないな わかってるくせに
ほんとは 1人で いくんだぜ。
遠い 遠い 笑えない話。
いつか 僕が いなくなったなら
深い 深い 森に落ちた
君は 1人で いくんだぜ。
それから 1人
歩んで1人
嘘をつくことも もう疲れた
俯き 1人
黄金の部屋
君と 2人で いたんだぜ。
僕は 深い 森に落ちた
黒く煤けて 汚れた果実
それで おわり
それだけの話
君は 1人で いくんだぜ。