ボカロとは?人気の秘密や基礎知識を徹底解剖!注目の7人も解説

ボカロとは?人気の秘密や基礎知識を徹底解剖!注目の7人も解説
KKBOX編集室
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今や毎週オリコンランキングやストリーミングランキングを賑わす “ボカロ出身" のアーティスト。J-POPのトップアーティスト・米津玄師(ハチ)やYOASOBIのAyaseは元々 “ボカロP" として、Adoやyamaは “歌い手" として活動していました。しかし、ボカロに馴染みがない人にとっては「ボカロやボカロP、歌い手が何なのかまったくわからない」と敬遠しがち。「初音ミク」がボカロの一種だと聞けば少しはイメージが湧きやすいかもしれませんが、「初音ミクとは何か」と聞かれても明確にこれと回答するのは難しいですよね。

では、なぜ「ボカロ」がこれほどまでに人気を博しているのでしょうか。本記事では、「ボカロ」「ボカロP」「歌い手」の解説とともに、ボカロという音楽ジャンルとその人気の秘訣を徹底解剖し、注目の人気アーティスト7人を厳選してご紹介します。

ボカロとは、誰でも作曲家・歌手になれる架け橋のこと

ボカロを理解するうえで重要なのが、「ボカロ」「ボカロP」「歌い手」という3つのキーワード。まずはそれぞれの言葉の意味を掘り下げていきます。

ボカロ:ヤマハが開発した音声技術の「VOCALOID」をはじめとする音声合成ソフトウェアで制作された楽曲のこと。VOCALOID曲・ボーカロイド曲・ボカロ曲などとも言い、現在では「ボカロ」という1つの音楽ジャンルの名称としても使われます。

ボカロP:VOCALOIDでボカロ曲を制作する作曲家のこと。なお、ボカロPとはボカロとプロデューサー(Producer)の頭文字Pが組み合わさってできた造語です。

歌い手:ボカロ曲を自分の歌声でカバーし、「歌ってみた動画」をYouTubeやニコニコ動画などに投稿する人のこと。

そもそも「ボカロ」とはヤマハが開発した音声技術の「VOCALOID」を指し、「初音ミク」は同技術を駆使して開発されたバーチャルシンガーでVOCALOIDに歌声データベースをセットした音声合成ソフトでもあります。VOCALOIDのような音声合成ソフトは、パソコン上で歌声を作って自分でも他の誰かでもなく、バーチャルシンガーに歌わせることができます。これこそがボカロの最大の特徴です。

ボカロの登場は「自分で歌うのは苦手だけれど/自分は歌えないから他の誰かに歌ってほしい」「楽曲を作ることはできるけれど歌い手がいない」という作り手・クリエイターの悩みを一蹴する革命的な出来事でした。こうして多くの作り手たち(=ボカロP)が制作した楽曲にボーカロイドの歌を載せ、動画投稿サイトから発信することでボカロが世の中に広まっていきました。

一方で、歌いたくても自分の歌を披露する場所がないという人々にとっても、ボカロは革新的な存在となりました。ボカロPがボカロに歌わせていた楽曲を「歌ってみた」という形で「歌いたい人たち(歌い手)」が続々に動画投稿を開始。これがトレンドとなり、ボカロは飛躍的にその知名度を上げ、市民権を得ることに。この「歌い手」ブームをきっかけに、ボカロは単なる「バーチャルシンガー」という概念を超えたまったく新しいジャンルに昇華していきます。

もともとは「ボカロの歌う歌を、実際に歌いたい人たちがカバーする」というのが「歌ってみた」文化のはじまりでした。しかし次第にボカロPが自分で歌を当て込んで歌ってみたり、ボカロPと歌い手を掛け合わせてみたりと、そのトレンドは多様に変化していきます。近年は、ボカロPがトラックを作り歌い手が歌う楽曲を、さらに別の方が「歌ってみた」する流れが一般化。MAISONdesというクリエイター(ボカロP)と歌い手を繋げ楽曲をリリースするプロジェクトが人気を博しヒットチャートを賑わすなど、ボカロが音楽シーン全体に大きなうねりをもたらし始めています。

ボカロがここまで流行した要因は、「誰でも手軽に楽曲や歌を発表できるツール・架け橋になった」ところにあるでしょう。自分を表現するハードルが低くなり、歌い手がいなくても、歌うための楽曲がなくても、ボカロがあれば、ボカロP・歌い手がいれば歌や楽曲に自分を投影し表現することができます。また、反響や評価がすぐに伝わるのでモチベーションにも繋がりやすく、音楽を通じて人とのつながりを得られるところも流行の大きな要因であると言えそうです。

ボカロは「等身大のありのまま」を歌う=聴く人の感情に寄り添う

ボカロのさらなる特徴は、「等身大の自分を表現できること」にあります。歌や楽曲においての表現はもとより、その歌詞に特徴があります。等身大の自分とは、負の感情も含めたありのままの姿ということです。

これはJ-POPと比較すると分かりやすいでしょう。J-POPでは夢を追いかけることを応援したり、愛や恋を語ったりする “ハッピーな要素” の強い楽曲が多くあります。なぜなら、今も昔もこうした楽曲のほうが「売れる」傾向にあり、J-POPとはこうした夢・愛・恋でジャンルを確立してきたからです。失恋ソングのような悲しさを歌う楽曲でも、肯定的な内容が多い傾向にあります。ボカロは、日々の暮らしの中で生まれる葛藤や嘆きなどを表現した楽曲が多く、夢を語るような歌詞でも地に足の着いた“ありのままの姿” を歌にするのが特徴。

学校や職場における人とのコミュニケーションの面倒くささや鬱憤、生きづらさなどは多かれ少なかれ誰しも抱えているもの。そんな負の感情をさらけ出し、人々の感情に寄り添ったり、不器用なありのままの自分でいいと背中を押すような、等身大な世界観こそがボカロが強い支持を集めることとなった要因でしょう。10代の多感な学生たちからも強い支持を集めるのはこうした等身大さに理由がありそうです。

また、ボカロは顔や素性を明かさずに活動できるため、誰でも気軽にチャレンジしやすいところも魅力の一つ。言うなれば自分の気持ちをボカロが代弁してくれるようなものなので、なかなか声を大にして口にできないこともボカロに歌わせることでクリエイティブにアウトプットができます。今では俳優や声優といった有名人はもちろんのこと、趣味でボカロ曲を作っていたり、「歌ってみた動画」を投稿したりする普通の会社員も多くいます。家にいながら没頭できることも相まって、行動制限の敷かれたコロナ禍で高い注目を集め、トレンドに拍車がかかったというのも現在の大きなムーブメントの要因といえます。

人気沸騰のボカロ界隈で特に注目すべき7人の重要人物をご紹介

ここからは、今人気沸騰のボカロシーンで最も注目すべき7人のアーティストをご紹介します。

まふまふ

まふまふは、2010年にニコニコ動画で活動を開始。ボカロPに歌い手と全てをこなす圧倒的な才能でファンベースを獲得し、2023年2月時点でYouTubeの総再生回数20億回超え、チャンネル登録者数350万人超え、Twitterのフォロワー数は217万人以上と若年層を中心に圧倒的な人気を誇ります。2021年には活動10周年を迎え、「第72回NHK紅白歌合戦」への出場も果たしました。

歌唱、作詞、作曲、編曲、エンジニアリングまで全て自身の手で行い、さまざまなアーティストへの楽曲提供も行う奇才は、男性・女性どちらの声も出せる天性のハイトーンボイスが特徴。類い稀な歌唱・作曲センスに加え、ロックにバラードにと幅広い曲調と等身大な歌詞がさまざまな世代を超えて広く人気を博しています。

出典:YouTube / まふまふちゃんねる

Eve

2009年から歌い手として活動を始め、2015年からはボカロPとして作詞・作曲も行うEveは、ボカロシーンのみならず今日本の音楽シーン全体で最も勢いのあるアーティストの一人です。全ての収録曲を自身で作詞・作曲した4thアルバムの「文化」は、オリコンのインディーズチャートで1位を、iTunesでは2位を記録。これまで多くのアニメ・ドラマ主題歌やCMのテーマソングを手掛けたことでも注目を集め、2023年2月現在YouTubeチャンネル登録者数が400万人を突破しました。2020年にリリースしたTVアニメ『呪術廻戦』のOPテーマ「廻廻奇譚」は、ストリーミング累計再生数が3億回、ミュージック・ビデオの再生回数が2.7億回を突破するなど大きなヒットを記録。その後も2022年に「ファイトソング」でTVアニメ『チェンソーマン』のEDテーマに起用され同じく大きなヒットに。

甘い歌声に加え、ネガティブな歌詞の世界観にポップなメロディが交錯する独自の世界観が多くのファンを惹きつけるほか、優れた言葉選びのセンスも話題に。そのほか、ファッションブランドを立ち上げるなど音楽以外のジャンルでも才能を発揮しています。

出典:YouTube / Eve

そらる

2008年にニコニコ動画で「歌ってみた動画」を投稿して以来、現在は歌い手・ボカロPとしての活動にとどまらず、音楽のミキシングやバーチャルYouTuber事務所の運営などマルチにこなす多才ぶりで躍進するそらる。動画の総再生回数は3億回以上にものぼり、Twitterのアカウントのフォロワー数は約166万人、YouTubeのチャンネル登録者数は約121万人と若い世代を中心に絶大な人気を誇ります。2018年にソロ活動として初めてリリースしたシングル「銀の祈誓」はTVアニメ『ゴブリンスレイヤー』のEDテーマに起用され、オリコン週間ランキングで2位を記録。また、前述のまふまふとは “After the Rain” というユニットでも活動しており、彼もボカロにおけるキーパーソンの1人といえます。

力強い地声と柔らかな裏声のミックスボイスはたびたび「イケボ(イケメンボイス)」と称され、聴いているだけで癒されるとファンを虜にし続けています。低音から高音まで表現できる音域の広さと、アップテンポな激しい楽曲から切ないバラードまで幅広く歌いこなせるのが特徴です。

出典:YouTube / そらる

天月

天月(あまつき)は、2010年に活動を始めた歌い手。音楽以外にも演劇や朗読劇、声優やプロゲーマーなど幅広い分野で活躍。2014年にメジャーデビューして以来、主題歌やCMソングなど数々の作品とタイアップし、精力的なライブ活動を続けてきました。日本のみならず海外でも広く支持を集め、Twitterのフォロワー数は約158万人、YouTubeのチャンネル登録者数は約192万人にものぼります。

特徴は、少年っぽさを色濃く残したハイトーンボイス。真っ直ぐでピュアな印象の力強い声には爽やかな甘い魅力があり、一度聴くと忘れられないとその魅力の虜になる人が続出。高い人気・知名度を誇る現在も動画投稿を続けており、原点を忘れない真摯な姿勢がファンから熱い支持を集めている理由の一つと言えそうです。

出典:YouTube / 天月

めいちゃん

2011年にわずか15歳という若さで歌い手として活動を始めためいちゃん。爽やかな歌声を持ち味とし、キュートでポップな曲から大人っぽいシックでダークな曲まで幅広いジャンルをさらりと歌いこなす歌唱力の高さが魅力。2019年からはボカロPとしても活動し、自身で作詞・作曲も手掛けた2枚目のソロアルバム「大迷惑」ではオリジナル楽曲も発表。「ゲスの極み乙女」の川谷絵音など、さまざまな著名アーティストたちによる楽曲提供を受けたこともあって広く話題となりました。2019年に敢行したワンマンツアーでは5日間で4,000人を動員したほか、YouTubeの総再生回数は8,700万回を突破するなど高い人気を誇ります。

また、歌い手やロック・アニソンシンガーとして活動するGeroとは2人でYouTuberグループ「肉チョモランマ」としても活動しており、こちらも注目を集めています。

出典:YouTube / めいちゃん

nqrse

これまではシンプルに楽曲をカバーすることが一般的だったボカロ界にラップという新たな風を吹かせたnqrse(なるせ) は、2013年に活動をスタート。自ら作詞したオリジナル曲のほか、歌い手としてカバーする楽曲にも原曲にはないラップでアレンジを加えるなどして、ほかの歌い手とは一線を画すオリジナリティの高い楽曲を数々発表。「イケボ」な低音ボイスに絶妙にマッチするクールなトラックが爽やかでチルな雰囲気を演出。「誰かの背中を押すっていうより隣で寄り添ってくれるよう」と称されるそのリリックセンス・耳馴染みのよいラップは多くのファンの耳に留まり、動画の総再生回数は5億5000万回を超える。まだオリジナル楽曲は多くないながらも、すでにセンスの片鱗が見え始める彼のさらなる躍進に注目が集まっています。

出典:YouTube / nqrse

超学生

ベネチアンマスク越しに覗く端正な顔立ちと、“ガナリヴォイス”で人気の超学生。小学生のときに初めて「歌ってみた動画」をネットに投稿し、驚くべき若さで歌い手としての活動を始めた現在21歳の若き新星は、メジャーデビューを果たした今も週1本のペースで新作動画を公開しており、投稿本数に比例するように動画再生数も増加していき、総再生回数は3億回を突破。YouTubeのチャンネル登録者数は67万人にのぼります。

また、これまで多くのボカロPや歌い手とコラボしており、2020年には「うっせぇわ」で一躍有名になったAdoとのコラボ動画を配信。強烈な個性を放つ両者のコラボ作品ということで話題となりました。

出典:YouTube / Chogakusei Official

まとめ

今回は、ボカロの人気の秘訣を解説するとともに、今最も注目すべき7人のアーティストをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

米津玄師、YOASOBI、Ado、キタニタツヤ…など、近年J-POPの第一線で活躍しているアーティストにはボカロ出身者が多いこともあって、聞いたことはあるけれど、詳しく知らなかったという方も少なくないのではないでしょうか。こうして改めてボカロの成り立ちを知ると、ボカロというものがいかに現代にマッチした音楽で、いかにして人々の心を掴んでいるのかが非常に興味深いですよね。等身大の自分を表現するボカロは歌詞や曲調はもとより、その制作スタイルに及ぶまでこれまでのJ-POPに比べて自由度が高く、聴いているうちにハマってしまう人も多いのだとか。

今までボカロに馴染みがなかった人も、今回ご紹介したアーティストの楽曲を聴いてみるときっとその魅力の虜になること請け合いです。これからのJ-POPを担う日本の音楽の最先端をあなたもぜひ体感してみては。

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