この新人がすごい!2023|日本コロムビア推薦のネクストブレイク5選

テレビやラジオ、SNSはもちろん、音楽サブスクのレコメンド機能など、新しいアーティストとの出会いのきっかけが至る所にある昨今。しかし、なかなか好みのアーティストに出会えなかったり、聴きどころや魅力がわからなかったりということは誰しも経験があるはず。
そこで今回は、氷川きよし・きゃりーぱみゅぱみゅなど、老若男女問わず幅広い支持を集めるアーティストを多く抱えるレコード会社・日本コロムビアに「自社所属の2023年推しアーティスト」を伺いました。日本最古のレコード会社が太鼓判を押すアーティストは一体どんなアーティストなのでしょうか。それぞれの推しポイントもあわせてお伺いしました。
日本コロムビアってどんなレコード会社?
日本コロムビアは、1910年に設立した日本で最も古いレコード会社。昭和には美空ひばり・島倉千代子・都はるみ・藤山一郎・舟木一夫ら演歌・歌謡曲のレジェンドから、ゴダイゴ・中村雅俊・松山千春・ザ・コレクターズなどJ-POPのトップアーティストまで幅広いアーティストを輩出。
平成〜令和になると、一青窈・木村カエラ・きゃりーぱみゅぱみゅ・CharaなどのJ-POPの超一線のシンガーに、氷川きよしなど演歌界のスター、THE YELLOW MONKEY・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT・9mm Parabellum Bullet・安全地帯などの人気バンドといったように、演歌・歌謡曲にJ-POP・アイドル・邦ロックと実に幅広いジャンルで国民的人気を誇るアーティスト・熱狂的でカリスマ的支持を集めるバンドを多数世に送り出してきました。
100年以上に渡り日本の音楽界を支える日本コロムビアの2023年推しアーティスト5選
今回取材に応じてくれたのは、日本コロムビアの新 智早(あたらし ちさ)さん。TikTokが最新の音楽チャートを左右し、とにかく耳馴染みがよく印象に残りやすい楽曲がヒットする傾向にある現在の音楽業界において、最前線の現場でさまざまなアーティスト・楽曲に触れるレコード会社のスタッフは、どんなアーティストのどんなところを魅力と感じるのでしょうか。新さんには、各アーティストの魅力と推し曲を2曲ずつご紹介いただくほか、推し曲のポイントも語っていただきました。
有華
「特にラブソングは私も分かる~!って共感しながら毎回新曲を楽しみに聴いています!ライブでは同世代の女子はもちろん、小さいお子さんなど家族連れの方もいらっしゃって、幅広い年齢層の方々に愛されているアーティストです。お喋りが本当に面白いので、ライブではぜひMCにも注目していただきたいです!」
TikTokで最新曲「Baby you」が大バズりしているシンガーソングライターの有華。18歳のときに大阪で活動を開始した彼女は、苦節10年・28歳で2023年1月に日本コロムビアからメジャーデビュー。共感性の高い歌詞とポップでかわいらしい曲調に、思わず口ずさみたくなるキャッチーな歌メロが特徴です。
SNSで総再生回数13 億回突破の令和を代表するかわいいラブソングです!サビの「I...I Love you Baby 愛 ... 愛してる」が一度聴いたら頭から離れません!!
「彼氏や旦那さんと喧嘩したらとりあえずこの曲を聴いて初心を取り戻してね笑 愛してるよー!!!」と有華自身が語る本楽曲は、SNS上で「結婚式で流したい」と大きな話題に。「一度聴くと離れなくなる」という声の多い耳残りのよいキャッチーなメロディと、有華の描くまっすぐで心温まる世界観が多くのファンを虜にしています。
有華のメジャーデビューシングルです!かわいらしい歌詞にかわいらしいダンスと、かわいいが詰め込まれた有華の最新ラブソングです!
andropのギター・ボーカル内澤崇仁が楽曲提供し、有華が作詞を手掛けた「らしさ」抜群のはじけるようなポップさにキャッチーで共感性の高い歌が印象的な本楽曲。リリースされるや否や「推し動画」「カップル動画」「ダンス動画」などという形でSNS上にさまざまな動画が投稿され話題沸騰。特に人気TikToker・ローカルカンピオーネがオリジナルダンス動画とともにバレンタインデーに投稿したことを境にTikTokでの人気が爆発。TikTokウィークリーランキング1位を獲得するなど、有華がさらなる飛躍を決定づける一曲です。
ゆいにしお
亀田誠治さんの選出によりLINE NEWS AWARDS 2022 エンタメ部門の “来年NEWSになりそうな⼈” を表彰する「NEXT NEWS賞」を受賞したり、TVアニメ『英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~』やドラマ『来世ではちゃんとします3』の主題歌を務めたりと、今勢いのあるNEO渋谷系シンガーソングライターです!
清涼感のある爽やかなサウンドに透き通るような透明感たっぷりの歌声が魅力のゆいにしお。2016年に地元・愛知で弾き語りを始め、2018年に日本コロムビア主催の「半熟オーディション supported by Eggs」にてグランプリを獲得し、以後3枚のミニアルバムをリリース。複数のアニメの主題歌を務めるなど注目を集める中、2022年10月に1stフルアルバム『tasty city』で満を持してメジャーデビューを果たしました。ゆいにしおの最たる特徴は、独特な言葉選びとともに紡がれる等身大な歌詞の世界観と、心躍るような溢れるポップセンス。不安や葛藤の多い人生の中で、たくましくたおやかに生きる彼女の力強さに勇気づけられ共感するファンが多くいます。
タイトル通り “20代半ば” について歌った楽曲で、ちょうどその年代の私に歌詞が刺さりまくりの楽曲です!ぜひ私と同じ20代半ばの方は歌詞に注目しながら聴いてほしいです!
SNSでも同世代の男女からの共感の声が続出している本楽曲。周りの同世代が結婚したり家を買ったりしだす20代半ばで、仕事も恋愛も何もかもうまくいかなくたって、推しが年下になったって、助け合いながら強く生きていけばいいというメッセージに、多くの人が勇気をもらい背中を押された一曲です。
テレビ東京<ドラマParavi>枠『来世ではちゃんとします3』のエンディングテーマの「会いたいな今夜」。恋愛に悩んでいるあなたに是非聴いていただきたい1曲です!
恋に、人生に、そして性に悩めるすべての人たちへお届けする赤裸々なのにどこか優しくて哀しい令和のエロラブコメディ「来世ではちゃんとします3」のシーズン3のエンディングテーマとして起用された「会いたいな今夜」。かねてより同作に自身も心が救われたり、刺激をもらったりと思い入れが深かったというゆいにしおが書き下ろした本楽曲は、打ち込みを駆使した軽快でキャッチーなトラックが印象的。作品の内容とマッチした世界観が多くの反響を呼び、SNSでは毎週ドラマとエンディングセットで楽しみに観ているというファンや今回のエンディングテーマでファンになったという声が多く見られました。英語タイトルでは “an easy girl" と日本語より直接的な文言を用いているのも印象的です。
kiki vivi lily
スウィートで魅惑的な歌声と類稀なるメロディーセンスで彩度の高いポップネス・ソウルを奏でる注目のシンガーソングライター・kiki vivi lily。軽やかにジャンルを横断しながら様々なアーティストとコラボレーションを行うスタイルは、シーンの中でも特異な存在感を放っているアーティストです!癒される歌声と曲調に毎回私は「あー好き・・最高・・」ってなっています(笑)
kiki vivi lilyは、福岡県出身のシンガーソングライターで、2016年にEP『LOVIN' YOU』でデビューすると、その後1stアルバム『vivid』(2019年)、SUKISHAとのコラボ作『Over The Rainbow』(2019年)、2ndアルバム『Tasty』(2021年)をリリース。“ヒップホップ・R&Bなどクラブミュージックを通過したJ-POP" とでも言うべきサウンドが魅力で、人気エクスペリメンタル・ソウルバンドWONKの荒田洸と、King Gnu・米津玄師・Vaundy・KIRINJIなどさまざまなアーティストとともにプレイするMELRAWが彼女の作品のプロデュースに携わったり、トラックメーカーのSweet WilliamやラッパーのIttoが客演で参加したりと、シーンの枠組みを超え幅広いフィールドでその存在感を発揮し、メランコリックな世界観のトラックと可憐で繊細な歌で多くのファンの心を掴んでいます。
秋の訪れの予感と不安定な恋模様を描いた楽曲「Lazy」。心地良く癒される楽曲で、私はお散歩の時によく聴いていておすすめです!
全国各地の多数のFM局でのパワープレイに選出され、ラジオ・オンエアチャート(集計:2021年10月4日〜10日)で1位を獲得した楽曲。SNSでは「ラジオで流れてて一瞬で心奪われた」「お洒落なカフェや雑貨屋さんで流してほしい」「疲れた時にいつも聞いている」など絶賛の声が溢れました。
kiki vivi lily - 手を触れたら
恋心を歌ったかわいらしいラブソングで、私のお気に入り楽曲です!
ヒップホップ・R&Bのインフルエンスを全面に感じさせながらもシティポップ感が滲み出る楽曲。うまくいかない恋愛模様を具現化したような淡さや甘酸っぱさが印象的なトラックと、透明感のある透き通った歌声のバランス感が実に気持ちいいkiki vivi lilyのセンスがふんだんに感じられる一曲です。
ポップしなないで
つい先日2/22に日本コロムビアよりメジャーデビューしたばかりのポップしなないでです!2015年結成のVo. / Key. かめがいあやこ、Dr. かわむらによる、軽やかに無常を歌う「セカイ系おしゃべりポップバンド」。かわむらの作るどこか寂しさを孕みながら前を向く歌詞の世界観と、かめがいの表情豊かなクセの強いボーカルで、ミニマムな構成ながら非常に魅力に満ちたアーティストです!かめがいさんの歌声が本当に好きで、明るく多彩な歌声に毎回ワクワクしています!
シンガーソングライター・声優として活動していたかめがいあやこと、THIS IS JAPANのドラマー・かわむらの2人で2015年に結成。バンド名は、かわむらが「ポップすぎず怖すぎず、いい加減な塩梅を探っていった結果」命名したもの。4枚のミニアルバムと1枚のアルバムをリリースしたのち、2023年2月22日発売の2ndフルアルバム『戦略的生存』で日本コロムビアからメジャーデビュー。歌とラップ、ピアノとドラムで独創的な楽曲世界を作り上げています。
2023年2月22日にリリースしたメジャーデビューアルバム『戦略的生存』に収録の「メデューサ」。ポップしなないでの世界観で、疲れた時やしんどいときに前向きに明るくなれる楽曲です!
アニメのセリフの一節を彷彿とさせる畳み掛けるような歌い出しではじまる本楽曲。ラップとも歌ともポエトリーリーディングとも取れる独創性溢れる豊かなボーカルワークに流麗なピアノとグルーヴィーなベースラインが絡み合うカラフルなサウンドが魅力です。
私がポップしなないでの中で特にお気に入りの楽曲です!一度聴いたら中毒性があってハマるはずです!!
2021年12月リリースの4thミニアルバム『美しく生きていたいだけ』に収録の「支離滅裂に愛し愛されようじゃないか」。SNS上には「萌え声と伸びやかな声の使い分けがとても綺麗」「疲れたときに聴くと元気出る」「無理矢理前を向かせずに寄り添ってくれる歌詞が大好き」などと独創性溢れるボーカルワークと豊かな世界観を称賛する声が多く見られました。
MORISAKI WIN
俳優・森崎ウィンが、アジアから世界に発信するエンターテイナー “MORISAKI WIN” として2020年7月1日に「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。世界を意識した海外作家を起用した楽曲から、特撮テレビドラマ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の主題歌まで、幅広い活躍を魅せています。ステージに立って歌うのが本当に好きなんだなと伝わる楽しいライブを見せてくれるので、自然とこちらも心躍るような素敵な空間だなと私たちもいつも楽しませてもらっています!
ハリウッド映画への出演や日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞歴もあり、映画やドラマ、ミュージカルなどさまざまなフィールドで活躍する森崎ウィン。日本コロムビア内のインターナショナルレーベルより世界進出を掲げ、“MORISAKI WIN" 名義で2020年よりソロ・アーティストとしての活動を開始しました。
スズキソリオバンディットCMソングに起用され、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題になったメジャーデビュー曲です!
ハリウッド映画への出演や日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞歴もあるMORISAKI WINのデビュー曲。SNS上ではCMソングをきっかけに知ったという声が多くを占める中で、俳優活動を知っていた人も知らなかった人も、彼の歌唱力の高さとポップでさわやかなR&B調の楽曲との一体感を絶賛する声が多く見られました。
MORISAKI WIN - JUST GO
ライブやインタビューで、“夜のドライブ” をイメージされているとおっしゃっていて、私も “夜のドライブ”の時に「JUST GO」をかけて夜の高速道路を走っていて、夜のムーディーな雰囲気を作り出すのにぴったりでお気に入りの一曲になりました。おすすめです!
詳らかで流麗なギターから幕開けする本楽曲は、ダンサブルでグルービィーなサビが非常に印象的。ファンク・R&B・ロック・ポップスと非常に豊かなルーツを感じる爽快感たっぷりの一曲です。
まとめ
日本コロムビアが推薦する新人アーティスト5選、いかがでしたでしょうか。こうして聴いてみると、一つのレコード会社の中にも実にさまざまなタイプのアーティストがいておもしろいですよね。どのアーティストにも共通するのは「ありのままの自分を肯定していいんだ」という世界観かもしれません。これには昭和や平成から価値観が多様化し、コロナ禍に戦争など社会情勢の変化も非常に大きな変化を迎えた令和の時代背景を反映しているように感じました。こうして自分が自分であることを受け入れ、肯定するという価値観が今後より一層重んじられていくのかもしれないですね。
今後もシリーズ企画として、不定期にレコード会社が推薦するアーティストのご紹介を行っていきますので、ぜひご期待ください。
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