追悼特集・ヤイリギターを愛するミュージシャンまとめ

追悼特集・ヤイリギターを愛するミュージシャンまとめ
齋藤奈緒子
齋藤奈緒子

ポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、U2、桑田佳祐、長渕剛、松本孝弘…。純日本製、熟練の職人の手作業で生まれる、その極上の音色を愛したミュージシャンは数知れない。3月5日、日本が世界に誇る「ヤイリギター」(岐阜県可児市)社長の矢入一男(やいり・かずお)さんが、多臓器不全のため81歳で逝去した。 矢入さんが単身アメリカに渡り、本格的なギター作りを学んだのは1962年。まさにビートルズがデビューした年だった。徹底して手作業と少数生産にこだわり、70年代からは「Alvarez yairi」の商標でアメリカでも販売。ポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、U2、リッチー・ブラックモア、デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュ、カルロス・サンタナ、そしてトム・ヨークなど、世界の一流ミュージシャンに愛用されてきた。 ここ日本でも、上の3人に加え、福山雅治、桜井和寿(Mr. Children)、吉井和哉、浅井健一、大槻ケンヂ、TAKURO(GLAY)、BEGIN、向井秀徳、矢井田瞳、宮本浩次(エレファントカシマシ)、橋本絵莉子(チャットモンチー)などがヤイリギターを使用している。 矢入一男さんは、2005年に厚生労働省の「現代の名工」に選ばれ、06年に黄綬褒章を受章した。 何よりすごいのは、ギターが完成してもすぐには出荷せず、3か月間、専用の部屋で大音量の音楽を聞かせて、木の細胞に音楽をなじませる(!)といった、生き物を育てるようなモノづくりの姿勢。至高のサウンドの数々を陰で支え続けた、日本が誇る名工のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

齋藤奈緒子
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